広島県福山市神辺町

明尾山(あけおさん) 寒水寺

国家鎮護の霊山がこの地を守り続けた千三百年を想う

高屋川を挟み神辺城の対面に位置し、神辺城とほぼ同じ高さにある寺、真言宗 寒水寺。しかしその歴史は、神辺城よりさらに古い。開基は養老二年(717)と伝わる。古代には七堂伽藍を配し、天台山八十四宇の坊を従え、三百五十貫の寺領を持っていた。しかし、応仁の乱以降、戦国の世になると、たびたび火災にあい、坊は悉く破壊された。神辺城主の杉原氏により田畑九町八反が寄進され、十二の真言宗の坊ができたが、毛利元康の代には衰退。後に水野勝成により再興された。
神辺を一望できるこの地は江戸時代より景勝地として有名で、菅茶山もたびたびここを訪れ詩歌を詠んだという。
現在、往古の参道はなくなり見晴らしも良好とは言えないが、空は近く、境内は澄んだ静寂に満ちている。華やかな時代、穏やかな時代、厳しい時代、それぞれに数多の人々の祈りや願いがそそがれた地は、千年の歳月とともにすべてを包みこむ。

美しい宝形造の本堂。手入れが行き届いた庭園は、四季折々に違った表情をみせる。

神辺平野が遠望できる。

下の広場の片隅には、五輪塔や宝篋印塔など古い時代の墓が集められている。

参道入口の案内碑。