- 福山ぶらり歴史紀行
水野勝成墓
福山市若松町
更新:2022年08月02日
畏敬の地は、370年経てもなお、静謐に佇む。
築城400年の今年、福山城や水野勝成ゆかりの地を訪ねる人も多いだろう。水野勝成墓もそのひとつである。高さ5メートルを超える巨大な五輪塔は、県の史跡でもある。
意外に知られていないのが、勝成墓が移転しているということだ。
もともとは賢忠寺本堂裏から一直線に勝成墓に参道が延びていた。参道の両側には200基の石灯籠が整然と並び背後には泉水庭園が広がっていたという。
勝成の五輪塔の右手には数馬(4代勝種長男)左手には忠重(勝成父)成貞(勝成三男)が並んでいた。その背後に3代勝貞の五輪塔が西向きに建っていた。右手の少し奥まった場所には4代勝種の墓所。
山陽本線が敷設された時、勝成墓への参道と燈籠は撤去され、水野家墓域は石垣上に土塁を巡らし周囲は囲われ、東側と南側に入口が設けられた。さらに昭和32年に道路の拡幅に伴い、勝成墓を中心にした数馬から成貞の墓は全く同じ並びで、現在地に移転した。
本来なら賢忠寺本堂から静々と墓参していたのだろうが、今や庭園どころか道路からいきなり墓参である。少々情緒には欠けるが、400年後の福山の発展に、勝成公も案外ご満悦かもしれない。墓所を訪れた際には、五輪塔の立派さに感嘆するのみでなく、400年前に始まった福山とその来し方にも思いを馳せてほしい。この先も永き福山の繁栄を願う。
INFORMATION基本情報
名称 | 水野勝成墓 |
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住所 | 福山市若松町 |
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