• 福山ぶらり歴史紀行

亀山遺跡

福山市神辺町

弥生時代からの人々の歴史が積もる丘

備後の最も古い弥生人の生活跡は、ここ亀山遺跡にある。弥生時代前期に丘の周囲に三重の濠を巡らせた環濠集落は、別の集落に住む人たちと争いながら自分たちの生活を守るためのものであった。

時は下り古墳時代、近辺の有力な支配者の墓が築かれる。亀山第1号・第2号古墳である。古代山陽道を北に見下すこの地に埋葬されたのは、どんな人物だったのだろう。

平安時代後半の祭祀跡も見つかっているという。備後一宮吉備津神社は、平安時代、備中吉備津神社より勧請されたと伝えられており、その途上、この地に岡山と申す人(岡山から来た人か?)が一宿したと言い伝えが残る。やがてこの地に宮を建て一宮大明神と崇め奉り、後に岡山神社となる。

岡山神社は2基の古墳のある亀山公園の小丘の西側に鎮座している。古くからの社領は不明だが、宮氏に三拾貫を与えられ、毛利氏の時は拾五貫に減らされ、福島正則により没収された。水野時代には村が6反を寄付したという。世が世なら大社となっていた神社だったのではないだろうか。

弥生人が立った丘、古墳時代の有力者が神辺平野を見下した丘、そして中世から近世へ、ミステリーと浪漫に彩られた丘である。

古墳のある丘から東側を見下す。弥生人たちが見た景色はどのようなものだったろう。

桜の名所であるが、三月、一足早くしだれ梅が迎えてくれる。

亀山第1号古墳

岡山神社本殿。傍らには合祀された境内社が並ぶ

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