福山市駅家町

山の神古墳

ドーム状の空間がミステリアスな県内最古級の横穴室石室。

草が刈られた墳丘の輪郭がくっきりと青空に映える。草木が茂り、長らく個人では訪れにくかった山の神古墳が、去年地元の有志の手により、再びその姿を顕にした。

山の神古墳は墳丘の上に山の神が祀られていることでその名がついたという。6世紀に造られた横穴式石室を有する円墳、あるいは前方後円墳である。須恵器や馬具類も多数出土しており、この地域の首長墓と考えられている。

驚くのは石室に入ってからである。開口部は狭いが玄室の中はかなり広い。三方の壁は持ち送りで積み上げてあり、頂部は2枚の天井石で覆われている。見上げるとまるで円形ドームの中に居るようだ。県下でも数例しかないという。完全な姿を残しているわけではないが、岩の割れ目から射す陽光が舞台装置となって、なんともミステリアスだ。

この美しくも貴重な古墳を気軽に探訪できるよう尽力された地元の方々に感謝したい。

山の神古墳、玄室内部。高さ3.3m、幅2.9m・奥行4.1m。平面は正方形に近く壁面は持ち送りでドーム状になっている。遺物は装飾馬具類や金銅製の丸玉、鉄製斧頭、鉄製針、須恵器、土師器など。

山の神古墳、遠景。草木が刈られているので墳丘がはっきりわかる。開口部まで階段や手すりが設置されている。

古墳頂部。頂上に山の神が祀られている。

玄室内部から開口部を望む。