• 福山ぶらり歴史紀行

艮神社

広島県福山市北吉津町

名を変えしも  貫きしは万古の守り

水野勝成が福山城の鬼門守護とした神社と知られているが、艮神社の創建はそれよりずっと古い。
平安時代に須佐之男命を祀る「牛頭天王社」として、「江之郷清浄地」に建立されたのが始まりとされる。建武元年(1334年)、現在地に伊邪那岐命を併祀し遷座、「秋津洲大明神」と改称。吉津荘の産土神として長く土地の人々の安寧を守ってきた。福山中心部の最古の神社でもある。
福山築城後は北東(艮)の鬼門守護神として「秋津艮大明神」と改名された。(ちなみに裏鬼門の守護神は草戸の愛宕明神である)天和3年(1683年)には水野勝種より本殿が寄進され、その後も度々造営がなされ、興隆を極めたという。
今、鬼門守護神として主のいない福山城を静かに見守りつつ、38町5000戸の氏神様として崇敬を集めている。

現在の本殿は明治22年の再建であるが、全国的に珍しい比翼春日造。同じ形の春日造を相(あい)の間(ま)を挟んで左右に相対させる特殊な形式である。装飾彫刻を施していないため、素朴で静かな佇まいをみせる。

福山地方一円の鬼門守護神、厄除神として敬仰されており、初詣の境内は多くの人が参拝に訪れ賑やかになる。

石段入口の鳥居。正徳6年(1716)造立。

道路から長い参道が続く。

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