• 福山ぶらり歴史紀行

椋山(むくやま)城跡〈福山市史跡〉

広島県福山市駅家町

戦国時代の名を残す稀有な山城。

中世の山城跡はわかっているだけでも、市内に一〇〇ヵ所以上、点在している。しかし、当時の名称が判明しているのは五ヵ所ほどにすぎない。四八〇年も前の武人たちが呼んでいたその名を口にすることで、戦国時代のリアル感がより感じられるのではないだろうか。
その稀有な山城のひとつが駅家町の椋山山頂に位置する椋山城である。
椋山城は宮氏の支城であり、城主は宮氏配下の桑原越中守(えっちゅうのかみ)。天文三年(1534)に毛利軍との戦が勃発。宮氏は敗れるが、椋山城は桑原氏の居城として存続。その後、天正年間(1570~80年代)に廃城した。

本丸跡。北・西・南・南東に延びる15の郭と4本の空堀が残る。

石組の井戸が良い状態で残っている山城も珍しい。

椋山城跡を中心に八十八ヵ所が設置されており、城跡も整備されている。

二の郭越しに服部の集落を望む。右手に服部大池が見える。

椋山城麓の八幡神社前のムクノキの巨樹(樹齢550年)。本殿の北側にはかつて山城に祀ってあった艮神社が祀られている。八幡神社の前方は「馬場」と言われ、椋山城の武士が馬を教練した場所と伝わる。

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