• 福山ぶらり歴史紀行

草戸稲荷神社

広島県福山市草戸町

天空から慈しむ城下の風景

初詣の人出は五十万人を超え、県下二番目の賑わいを誇る草戸稲荷神社。
大同二年(八〇七年)明王院の鎮守として祀られ、当初は芦田川の中洲にあったが、古くからたびたび洪水により流失。承応四年(一六五五)に三代勝貞が今の地に遷座・造営したという。
『備陽六郡志』によれば「卯の祭は年々繁栄し、備中・安芸領・四国あたりからも参詣。霊験あらたな稲荷ゆえ、他国よりの参詣絶える事なし」とある。
かつての賑わいの光景はどのようであったろうか。今も参詣者の足が途絶えることはない。しかし、天高くそびえる本堂から一望する旧城下の風景は今の私たちだけが味わえる至福である。

本堂から一望できる福山中心部の風景。新年に望むにはふさわしい眺めであろう。

本殿の外観は、国内でも珍しい懸崖造。山に抱かれるように建つ本殿は片持ち梁構造でまさに空中に浮ぶ神社。

大鳥居
宝暦四年(1754)に佐久間徳兵衛という16俵2人扶持の足軽が、奉納。水呑村宝山にて石を切らせて造立したという。

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