広島県福山市駅家町

服部大池

郷土を慈しむ心が紡いだ四百年の風景。

福山市内でも有数の桜スポットである服部大池。平成二十二年に全国から選ばれた「ため池百選」のひとつであり、広島県では唯一の選出である。「堤体、水面、桜並木、農村の風景がとても美しい景観を創り出している」ことが評価された。
造成着手は寛永二十年(1643)。領内一の規模を誇り、築造には二百四十カ村の住人が総出で二年の歳月を費やした難事業であったという。これにより下流の二十カ村が潤った。今でも農業の貴重な水源として利用されている。
幾度も改修工事を施しながら四百年近い歳月を重ねてきた大池。かつては子どもたちの水遊びの場でもあり、今は桜が植樹され整備された「美しいため池」として訪れる人たちを和ませてくれる。地元の人たちが大池と共に紡いできた美しい日常が、今の風景を作り出している。

青い丸屋根に風見鶏をつけたレトロモダンな取水塔。池畦の桜並木と共に服部大池のシンボルである。初代は昭和初めの設置であるが、平成の初めに改修され二代目だそうだ。

堤の桜並木。お花見シーズンは多くの人で賑わう。

眼下には駅家町が一望できる。田に水が入る頃、稲穂が金色に輝く頃、美しい風景が広がる。

取水塔から100mほど北の小高い場所には水天宮が鎮座する。ここから大池が見おろせる。