• 福山ぶらり歴史紀行

神辺本陣

広島県福山市神辺町

参勤交代の賑わいに思いを馳せる宿場町。

西国街道沿いに散らばる宿場町。神辺宿もそのひとつで、七日市には本荘屋菅波家が務めた東本陣、三日市には尾道屋菅波家が務めた西本陣があった。
尾道家菅波家は代々酒造業を営み、寛文年間(一六六一~一六七三)に筑前黒田藩の本陣を務めて以来、黒田家が止宿する本陣を務めることとなった。現在、広島県下の旧宿場町で唯一現存しているのがこの西本陣である。
延享三年(一七四六)に建てられた本陣の本屋は、御成りの間、上段の間、三の間、札の間、玄関、敷台にいたるまで、当時のおもかげをそのままとどめている。
普段は外観のみ見学可能だが、年に一度、秋の「神辺宿・歴史まつり」は、「神辺本陣(西本陣)」を主会場に、神辺町の歴史と文化に関して様々なイベントが開催される。

手前の黒漆喰の塀と本瓦葺の門が本陣。門の先に本屋の玄関がある。奥側の格子部分が商いの場としても町家。

諸侯が休宿の折りに門前に掲げた木札が並ぶ「札の間」。劣化防止のため、現在は保管されている。

「神辺宿・歴史まつり」で開放された敷地には、多くの人が憩う。

文と写真 秋山 由実

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