広島県福山市若松町

水野公園

燃え出る黄色の賑わいと静謐なる歴史の味わい。

四季折々に光と風が注ぐその場所は、いつも静かなる「気」に満ちている。
福山の礎を築いた開祖水野勝成の墓所。
初期の福山を治めた人々が眠るこの場所は、清清しく穏やかな気配に満ち、今も福山の行く末を見守っているかのようだ。
隣接する公園は、大樹の緑が取り囲み老いや若きが笑い和む。
秋には燃えるような大いちょうが黄色くさんざめき、集う人も声高らかだ。
その華やかさは、墓所とは対照的だが、どこか懐かしく気持ちが柔らかくほどけてくる感覚は、両所に似通っている。
福山人にとっては、やはり特別な場所なのかもしれない。

福山開祖水野勝成の墓。墓石は高さ5.1mの巨大な五輪塔である。広島県指定史跡。向って右手に四代勝種の墓、左手に父・忠重の墓。

門扉には水野家の家紋である抱沢瀉のプレート。裏面には、旗印であった裏永楽の紋が刻されている。

水野氏の墓地は、都市計画に基く道路建設のため賢忠寺と分断されてしまった。その時、勝成・忠重・勝種などの墓は元の場所から北方に移された。元の場所には石碑と縁石の一部が残されている。西向きの勝貞の墓は元の場所にある。

毎年秋には大イチョウの黄色が燃え立ち、公園を明るく染めあげる。

墓所の東側は、夏には大樹の陰に涼風が吹き、冬には明るい日差しが降り注ぐ公園となっており、老若男女が利用する賑やかな場所である。

文と写真 秋山 由実