広島県福山市田尻町

高龗神社(タカオカミ神社)

静けき天空から見守るのは龍神様かはねおどりの鉦の音か。

尻町の高龗神社には「はねおどり発祥の地」の石碑がたっている。
はね踊りの起源は定かではないが、江戸時代の文書には沼隈郡本郷(田尻)の地で盛んにはね踊りが奉納されていた様子が描かれている。
高龗は文字通り山の上の水の神様。古くから領内のタカオカミ神社では雨乞いの神事がおこなわれており、田尻の人たちもこの神社で雨乞いをし、はねおどりを奉納していたのであろう。
また、水野勝成の御座船「大転輪丸」は田尻のお船入りに停泊していた。島原出陣時では戦勝祈願として、参勤交代では旅路の平安を祈願し、田尻の住民は盛大にはねおどりを踊ったという。
毎年7月の第1日曜日には、高龗神社と八幡宮に夏越祭と虫おくりの「はねおどり」を奉納する。勝成出陣から四〇〇年近くも時を重ねた今なお、当時の鉦音は田尻の空に響いている。

奉納踊りの日は龍神様の祠も華やぐ。

眼下には田尻の海が望める。江戸時代の人々は、ここからどんな風景を眺めていただろう。

田尻のはね踊りは昭和46年4月30日、広島県無形民俗文化財に指定された。

夏越祭の前はひっそりとした境内。標柱の右にははね踊りの由来を刻んだ大きな石碑がある。

円明寺南の道を進むと突き当たりに参道が見えてくる。

参道はかなりの急坂。途中に休み石もあるが、神社まで辿り着くには覚悟が必要。