広島県福山市芦田町

別所砂留

福山が誇る、美しき土木遺産。

谷あいに幾重にも連なる石積のひだ。自然に融けこんだ石の造形は、精緻な幾何学模様であったり、無骨な直線模様や端正な曲面であったり、ひとつひとつの個性がまた美しく、圧巻である。
訪れた者を魅了するのは、名もなき江戸時代の砂留群は、大地に刻まれた人々の闘いの歴史である。(全市にわたってこれほどの規模の砂留が現存するのは、全国的に珍しい。)
福山の砂留に、近年、新しく登場したのが、芦田町福田の小屋ケ谷に残る「別所の砂留」である。昭和30年代に山にのまれていたが、平成21年、地元の有志の手で発見された。年々整備が進み、壮大な建造物が今も甦りつつある。

1番~13番はそれぞれ、大きさ、形状が異なり、みどころたっぷりである。

当初発見されたのは15基だが、地元有志の尽力により、年々新たな砂留が発見され、現在37基が確認されている。築造年は不明だが、地元の文書により、明和元年(1764)には少なくとも13基が造られていた。

最も大きい10番砂留から下を望む。

入口にある案内板。一般向けに見学会も実施される。※3月21日午前9時~実施。現地集合。

文と写真 秋山 由実