広島県福山市新市町

吉備津神社

中世から人が集い賑わった市立祭。

毎年十一月下旬、誘われるように訪れるのが吉備津神社の市立(いちだて)祭。中世より市が立つ祭りと知られ、備後一円から人々が集まり物々交換していたという。今では、収穫祭として、各種興行や露天商が立ち並び、郷土芸能の奉納が行なわれる、年に一度の大祭である。境内の大イチョウが黄色に燃え立つ季節でもある。
吉備津神社は中世より備後国一宮として崇敬を集めた古社で、大同元年(806)創建と云われる。鎌倉時代たいそう栄えていたがその後一時衰退。水野勝成が再建し、今に伝わる。

慶安元年(1648)にできる限りの良材をもって、本殿、拝殿、神楽殿などが再建された。神仏習合時代の様式をもった入母屋造破風付の本殿は国の重文でもある。軒には水野氏の家紋を見ることができる。

市立祭(11月23日前後の日曜日を含む3~4日間)の頃、大イチョウも黄色に色づき境内を染める。

椿、蝋梅…、季節ごとの花が咲き、四季折々に楽しみを見つけることができる。

2月3日の節分祭には鎌倉時代が続く奇祭「ほらふき神事」も開催される。

文と写真 秋山 由実