広島県福山市芦田川

沈下橋

郷愁誘う川の風景は暴れ川との智恵くらべ

潜水橋とも呼ばれる沈下橋。川が増水した時に水中に没してやり過ごす。流木などが引っかからないよう欄干のないシンプルな橋だ。荒れ狂う自然の脅威に抵抗することなく、じっと耐え、川が静まれば再び姿を現す。非効率に見えて、無駄がない。そのしなやかな有り方に、人も見習うことも多いのではないだろうか。
暴れ川の多い日本各地にあったが、時代と共に姿を消しつつある。芦田川中域に五本(羽賀橋・下山守橋・下郷橋・谷橋・近田橋)も架かる風景は県下でもここしかあるまい。大切にしたい郷土の風景だ。

下流から4本目の谷橋は、水面から高く、路板は3枚しかない。

中津原ゴルフ場にかかる羽賀橋。車は通れない。

最も車の行き来が多い近田橋。水面からかなり高く、路板5枚で退避場所がある。

河川工事中の下郷橋。下山守橋と似た風情である。

文と写真 秋山 由実