村上豊のやさしいルアー専科

今回はルアーで狙うカサゴを紹介します。 　３月は春の足音が聞こえて来る頃ですが、海の水温は最も冷たくなる時期といわれます。そんな低水温期でも活発に餌を捕食するカサゴは、格好のターゲット。餌のエビや小魚などに限らず、「ワーム」というルアーでも狙うことができます。 　前回も紹介しましたが、ワームとは軟らかい樹脂などで出来たもので、もはや冬の海釣りには欠かせないルアーと言っても過言ではありません。

ジグヘッドや専用の針とオモリを組み合わせて狙うのですが、海底の岩礁や海藻などの障害物「根」が問題です。カサゴを狙うには根の周辺を、「根掛かり」に気を付けながら丹念に狙う必要があります。 　岸からの場合は、穴釣りや防波堤のそばでワームを底まで沈め上下させたり、ルアーを投げて底をたたくくように誘う狙い方を試すとよいでしょう。 　岸から狙うカサゴも楽しいですが、今回は船からのカサゴ釣りを体験しに、遊漁船にお邪魔してきました。 　船から狙う際は、餌釣りに使う銅付き仕掛けに、餌の代わりにワームを取り付けます。針が二つ付いている仕掛けなので、準備してもらったモロコという小魚を生き餌として、状況に応じて使いました。

狙い方は岸からと同様、底まで仕掛けを落とし、底をたたくように優しく上下させるだけと簡単。同船者は餌でもワームでも好調に魚を釣り上げていきます。 　カサゴは攻撃性が強く貪欲にエサに食い付く特徴があるので簡単に釣れると踏んでいましたが、なぜか私だけ苦戦を強いられることになりました。

見かねた船長の助けで、何とか釣ることができたのですが、原因は私の釣り竿が硬すぎたこと。仕掛けが短く、魚に違和感を与えたようでした。 　遊漁船では釣り方のアドバイスや道具のレンタルもしてもらえます。初めての船釣りに挑戦するなら、道具をそろえる前にレンタルも手ではないかと感じた出来事でした。 　カサゴ釣りは思いのほか奥が深く、餌に比べて手軽なワームを使用することで、臨機応変に釣りを楽しめます。 　カサゴに限らず不意の大物を誘発することもあるので、船からも岸からも挑戦していただきたいです。