• ご朱印帳のすゝめ

南宮神社

南宮神社

 備後ゆかりの吉備津彦命の父君・孝霊天皇を主たる祭神とする南宮神社。“南宮”の称は、美濃国一宮南宮大社を勧請したことによるとも言われるが、備後国の国府の南に鎮座したためとする説が有力だ。古くから備後国一宮の吉備津神社に次ぐ大社と称され、一宮、南宮、真宮を備後の国中三社の大社という。
平安時代初頭、大同2年(807)の創祀と伝えられる。寛文9年(1669)に再建された本殿は、全国的に見ても屈指の壮大な建築物で、随神門、鐘楼とともに府中市の重要文化財に指定されている。
あじさい寺として知られる神宮寺は、南宮神社の維持経営のために定められた別当寺。明治以降に寺が神社から分離した際、鐘楼は神社に残したため、今でも境内に残っている。鐘楼がある神社は全国的にも珍しい。
ご神体として祀られていた木造神像・木造随身立像は平安末期から鎌倉初期にかけての製作とみられ、国の重要文化財。
大木に囲まれ、美しい鳥のさえずりが響く境内を散策していると、心が洗われるような心持ちになる。

7月の第1日曜に行われる蝗除祭〈こうじょさい〉(虫送り)は、田んぼなどの害虫を追い出す目的で行われるもの。12の氏子町内が鉦や太鼓を打ち鳴らしながら行列をなして参詣し、境内で盛大に踊りはやす、夏の風物詩だ。

PAGE TOP