• 三好教育長に聞く福山100NEN教育

三好教育長に聞く 福山100NEN教育 第55回

第20回福山教育フォーラム「福山100NEN教育の今」(後編)

8月2日(水)に、「第20回福山教育フォーラム」が開催されました。今回は後半の内容について、三好教育長からお話を伺います。

フォーラムで発表した5つの実践(各25分間の動画)
①ともに学び ともに生きる「常石ともに学園」
②叡智学園に学ぶ 本質に迫る教材研究「中学校社会科」
③事務室からの学校経営参画「学校事務」
④言語習得の過程に沿った英語の授業 「5ラウンドシステム」
⑤いつでもどこでも学びの場 かかわる
つながる「想青学園」

教育長:前回は、①「常石ともに学園」②「中学校社会科」の2つを紹介しました。今回は、③「学校事務」から紹介します。


【 事務室からの学校経営参画「学校事務」 】

* 「従事する」から「つかさどる」へ
2017年(平成29年)、学校教育法が改正され、学校におけるマネジメント機能を十分に発揮するため、事務職員は、事務に「従事する」から事務を「つかさどる」となりました。

事務A: 「つかさどる」の意味を考えると、勤務校の経営方針を知り、教育活動をしっかりと理解した上で、事務をしていくことが大切だと思います。経理・財務に関することなど、私たちの大切な仕事の向こう側には、子どもたちがいます。学校が求めていることを理解するために、校内の企画委員会に参加している職員もいます。

校長A: 事務職員も栄養士も、企画委員会へ入ってもらって、いろいろな意見を交換したり、お願いしたいことを出してもらったりしています。先生方とつながりができてきました。

* 共同学校事務室
事務B:共同事務室とは、事務の効率化、標準化、職員の資質向上を目的としています。週1回程度、拠点校(※)にブロック内の7~11校が集まり、給与、経理、児童生徒の3つの担当に分かれて、複数の学校の事務業務を共同で行っています。

◇給与…扶養手当、通勤手当、住居手当、旅費の点検等
◇経理…学校で購入した物品の入力、共同購入等
◇児童生徒…就学援助、就学奨励費の点検

事務C:わからないことを聞いたり、作成した書類を点検したり、経験豊かな先輩方がたくさんいるので、とても心強いし、有難いです。

* 学校経営参画
事務D:予算執行した物品がどう使われているのか見たくなって、授業の様子を見に行っています。

事務E:いろいろな教室に足を運んで、子どもを見て学校をより良くしていけるような事務をしたいと思っています。

事務E:大事にしていることは、児童生徒が楽しく学校生活を送っていくことです。どうすれば子どもたちが喜んでくれるかということを考えて事務をしています。


【 言語習得の過程に沿った英語の授業「5ラウンドシステム」 】

* 言語習得の過程
人が話し始めるまでには約3年かかります。最初に使う技能は「聞くこと」です。それから少しずつ「話すこと」が加わります。その後、「読むこと」「書くこと」の技能に触れていきます。言葉の出発点は「聞くこと」からです。

* 「聞く」ことから「話す」「読む」「書く」につなげる5ラウンドシステムの授業
5ラウンドシステムとは、英語を使って自分の言葉で表現することができる生徒を育成するために、1冊の教科書を1年間で5回繰り返す学習方法です。
ラウンドごとに目標を変え、教科書のストーリーに繰り返し触れながらスパイラルに学習していきます。

ラウンドシステムは、ある程度型が決まっています。まずは、その型を徹底することです。
しかし、型通りすれば力が付くというものではありません。
先生は、一つ一つの活動のねらいと中身を正しく理解して、子どもの状況を見ながら授業を考えていくことが大切です。


【 いつでもどこでも学びの場 かかわる つながる「想青学園」 】

小学校5校・中学校2校を再編し、2022年(令和4年)4月、義務教育学校「想青学園」が開校しました。

* いつでもどこでも学びの場
校内のあらゆる空間で子どもたちが学んでいます。

3年生「重さの達人になろう」(算数&理科)
教諭A:学習指導要領を読んで、算数・理科の「重さ」に関する学習内容を踏まえ、子どもの疑問から「重さ」について考える25個のブースを設定しました。帰りにみんな低学年メディアを通るので、いろんな学年の子がこのブースで重さ調べをしています。

7年生「詩の世界」(国語)
教諭B:子どもの想像力はすごいです。詩の授業を通して「この言葉があるから」と、言葉を根拠に想像を広げていっています。

* 新教科「SOSEI学」
教諭C:1~9年生が地域の文化・歴史・産業について探究しています。昨年度は、地域の人と人をつなぐために「SOSEIナイト」というイベントを開催し、約700人の参加者へ地域の魅力を伝えました。今年度は地域の企業や団体からミッションをいただき、それを解決していくカリキュラムを考えました。「SOSEI学」を通して、地域と学校がつながり、子どもたちが地域に愛着をもち、自分たちにできることをしていくことで、内海・沼隈の地域活性化にもつながっていけばと思っています。


教育長:紹介したのは、動画の一部です。12月末まで、市役所一階ホールのモニターにおいて、5つの動画を配信しています。来庁の際は、是非ご視聴いただければと思います。

PAGE TOP