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三好教育長に聞く 福山100NEN教育 第37回

三好教育長に聞く 福山100NEN教育

テーマ 第7回「福山学校元気大賞」表彰式

2015年(平成27年)に「福山学校元気大賞」を創設してから、毎年年度末に、一年間の教育活動の過程や結果を総合的に判断して、「福山学校元気大賞 表彰式」が行われています。今回は、今年度で第7回目となる表彰式について、三好教育長からお話を伺います。

—昨年に続き、今年の表彰式も、オンラインで開催されたのですか。

教育長:そうです。昨年は、コロナ禍で各学校のチャレンジ全てが素晴らしかったので、全校を「大賞」としました。今年は、その中でも、「大賞」「優秀賞」「奨励賞」「特別賞」を決定し、オンラインで表彰式を開催しました。

—それぞれの賞は、どのようにして決定されているのですか。

教育長:今年度は、子どもたちが元気、教職員が元気、そして学校が元気であることに重きを置いて決定しました。
第一次審査では、「学校に行くのが楽しい」と感じている児童生徒が多い中学校区を抽出しました。その中から、「自分にはよいところがある」「自分でやると決めたことは、やり遂げる」など、子どもたちの自己効力感が高い中学校区を選考しました。
第二次・三次審査では、「子どもたちの主体性、ふるさとへの愛着や誇り、学力、体力、教職員のやりがい・充実感」など、各中学校区が取り組んだ一年間の教育活動の過程と結果を総合的に判断しました。
特別賞は、「学校に行くのが楽しい」「教職員のやりがい・挑戦」「児童生徒の体力」の三つについて、肯定的な回答や得点の伸びが、特に大きかった学校を選考しました。

—今年度の受賞校を教えてください。

教育長:受賞校とともに、そのときの代表者の挨拶の一部を紹介します。

☆大賞 城北中学校区(西・樹徳・久松台・明王台小学校)
 城北中 校長 山口裕三

年間5回の校区全体研修では、5つの学校をオンラインで繋ぎ、総合的な学習の発表と成果・課題を交流しました。年度を重ねるごとに、教職員の主体性も生まれています。
城北中学校の強みは、校区4つの小学校で基礎基本の定着と児童の主体的な学びがしっかり育てられていることです。中学校では、生徒の主体的な学びを深化させ、学びへ向かう姿勢と人間性を育てることが重要な責務だと感じています。
今年度、地域の方から「高齢の方が道に迷っているところを生徒たちが優しく道案内してくれました」と連絡がありました。このような子どもたちの相手を思いやる優しい行動へつながる学びを深化させ、誇りの持てる中学校区にしていきたいと思っております。

☆優秀賞 精華中学校区(金江・藤江小学校)
 精華中 校長 前田むつみ

「自分で課題を見つけ、仲間とともに考えを深めながら、課題を解決することができる生徒」を育成するために、児童・生徒が主体となって活躍できる授業や行事などを創り出しています。小中連携の具体としては、児童が中学校の行事を参観するだけでなく、中学生が小学校に出向き、ボランティア活動の出前授業や学校紹介を行うなど、先輩としての手本を見せています。この中学生への憧れが原動力となり、児童が中学校に入学したのち、生徒主体で中学校生活を送ることができるように、小学校段階から主体的に考え、判断し、行動できるように励んでいます。
今後も、教職員・保護者・地域と協働し、精華中学校区の子どもたちを育てていきます。

☆奨励賞 城南中学校区(南・川口・多治米・川口東小学校)
 多治米小 校長 高垣和子

「児童生徒が『考え、決める、選ぶ』ことを大切に、授業や行事の企画に取り組み、『学校が楽しい』という気持ちを大きくしている。また教職員の『個性が認められている』という意識が高く、児童生徒の自己肯定感の向上につながっている」という受賞理由の二点をさらに意識し、ますます努力してまいります。
これからも「子ども主体の学び」という大本からは決してぶれず、校区小中5校しっかりと連携を取り、助け合い協力しつつも互いの個性を尊重し、良さを学び合いながら切磋琢磨してまいります。児童・生徒も教職員も、自分の学校は自分たちで創り上げるという希望を持ち、新たなことに挑戦し続ける学校、中学校区をこれまで以上に目指していきます。

☆奨励賞 新市中央中学校区(網引・新市・戸手小学校)
 新市中央中 校長 門田剛年

「キャリア教育カリキュラム開発事業の1年目、校区でそれなりに頑張った。でも、これは3年間の指定事業。2、3年目と、子どもたちの力をもっと高め、他校へ普及できる成果を出すことを期待しとるけえな。4月からは、新しい新市中央中学校がスタートする。『オール新市で日本一の学校を創ろう』という横断幕を掲げているけれど、掛け声だけに終わるなよ。子どもたちの姿で示してくれよ。失敗を恐れずに挑戦することは、当たり前じゃけえな。少々の挑戦は、挑戦じゃない。大きく飛び出す挑戦を期待しとるよ」
以上が、奨励賞に込められた三好教育長の思いだと推測しています。しっかり受け止めて、来年度、一層挑戦していきたいと思っています。

☆特別賞 南小学校
 校長 立花睦子

教科学年の枠を超えた教育課程編成・実施パイロット校として、教師も、子どもたちも、ともに授業を創り、学ぶことが面白いと実感できる授業を目指してきました。
思考錯誤の日々ではありますが、子どもたちが自ら学ぼうとしている姿や、学び合いを楽しんでいる姿を様々な場面で見ることができています。また、内容の枠を超えながら子どもたちが学んでいる姿から、教師も学ぶべきことがたくさんあることを実感し、教師の意識も「教師が」から「児童とともに」へと変わってきています。
今後も、常に「学び」について考え、「学ぶ」ということを大切にし、学ぶことが面白い、楽しいと思える学校を目指し、子どもたちとともに歩んでいきたいと思っています。

☆特別賞 御幸小学校
 教諭 浦上郁代

年度当初に、一人一人が学びたいことについてアンケートをとり、学年・教科の枠を超えて、研修を進めていきました。「教科の特質を生かした学びづくり」「学級経営を要とした学びづくり」「個別最適化と協働的な学びづくり」「ICTを活用した学びづくり」という4つのチームに分かれ、それぞれの得意分野を活かしたり、苦手分野にチャレンジしたりするなど、楽しみながら学ぶことができました。また、各チームの研究を交流することで視点が広がり、教職員の引き出しを増やすことにもつながっていると感じています。
今後も、教職員全体の「学ぶことが面白い」「挑戦したい」という雰囲気を大切にしながら、子どもたちとともに学んでいきたいと思います。

☆特別賞 鞆の浦学園
 校長 宇根一成

子どもたちは、今日も感染予防に気を付け、体育の授業を楽しそうに体を動かして頑張っていました。また、今週から部活動も一時間程度、再開しています。上級生と一緒に、5・6年生も参加して頑張っています。授業だけではなく、こうした部活動もきっと体力向上につながっていると思います。
特別賞は、子どもたちや教職員をはじめ、保護者や地域を元気にしてもらえます。この受賞をみんなに伝え、一緒に喜び合いたいと思います。
今後も、いただいた賞を励みに、元気いっぱい、笑顔いっぱいの子どもたちの姿が見られる「鞆の浦学園」を追い求めてまいります。

—今、紹介いただいた中学校区・学校が、今年度一番元気だったということですね。

教育長:そうですね。「福山学校元気大賞」の名前の通り、今年度、一番元気な中学校区・学校です。この度の受賞を子どもたちや教職員・保護者・地域の皆様の更なる元気と笑顔につなげてもらえればと思っています。
今年度もコロナ禍で制限が多い中、全ての学校において、リアルとデジタルのバランスを考えながら、「学びが面白い!」の深化に向かって、着実に取り組んできました。子どもたちとともに試行錯誤しながら行われた全ての学校の全てのチャレンジが、素晴らしいものでした。これからも、地道で丁寧な取組を積み上げ、変化の激しい社会をたくましく生きる子どもの育成に努めていきます。
引き続き、子どもたちの主体的な活動や教職員の丁寧な教育活動、学校・地域が一体となった取組において、結果のみならず、過程や見過ごされがちな行いに気付かれたときは、是非声を届けてください。

びんまる4月号より

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