• ご朱印帳のすゝめ

南寿山 観音寺

南寿山 観音寺

 真言宗大覚寺派に属する観音寺は、福山城築城に際し、城郭の東北端の鬼門守護のために建立されたと推定される寺院だ。  本堂は、慶長年間に福島丹波重治が神辺城下に建立し、廃寺になっていた福島家祈願寺のお堂を寛永の中頃移築したもの。柱・組物・窓などには禅宗様の手法を、向拝や内陣には和様の手法を取り入れた折衷様式の建物で、装飾手法は桃山建築の流れを汲んでいる。桃山時代初期の建築で、県内に現存する近世唯一の本格的な密教寺院の本堂として貴重なもので、県の重要文化財にも指定されている。  2003〜4年に解体修理が行われ、屋根の下の組物などが胡粉で彩色されていたことが判明。現在は美しく復元された本堂を見ることができる。  本尊は十一面千手千眼観世音菩薩。頭頂に十一面と阿弥陀如来をいただき、千手千眼を持つお姿はいろいろな観音様の中でも霊験あらたかとされ、「蓮華王」とも呼ばれ、人々の篤い信仰を集めている。

本堂と同年代の建築とされる表門も桃山期の様式を伝える貴重な遺構で県の重要文化財。本尊は秘仏のため通常非公開だが、33年ごとに公開される(前回は2002年に公開)。

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