• 備後の顔

福島 法子さん

福島 法子さん

革製品作りで大病克服作業中は無心になれる

5年前、くも膜下出血を患った。退院後に通ったデイサービスでは、リハビリメニューの1つにレザークラフトがあった。全く経験はなかったが「材料もたくさんあって、ちょっとやってみようと始めてみたら、はまってしまいました」財布や小物入れなど小さな物からスタートし、次第にバッグなど大きなサイズも作るように。施設の職員から基本を学んだ以外は、専門書で勉強するなど独学だが、毎日のように制作に精を出す。「当時は福山に専門店がなく、夫(康行さん)が工具などを買い求めに広島市まで通ってくれました」という。時間があると一日中作業に没頭することも。革製品を作るには時間も手間もかかる。革の表面にデザインを彫っていく「カービング」は、専用の工具を使った根気のいる工程だ。型を取る、革に穴を開ける、縫う、金具を付ける、色を塗るなど、全てを自らの手で行う。リハビリの一環として始めたレザークラフト。効果があったのか、現在は自分で自動車を運転できるまでに回復した。「作業中は無心になれる。考えに考えて作っているので、脳の活性化に役立つのかも」と笑う。福山市内の大型商業施設の雑貨店で作品を販売している。「5年続けて、カービングの腕は上がりました。でも、その他の細かい作業はどうでしょうか」と話し、作品で利益を得ることは考えていない。作った物は主に自身が使うが、見た人から注文が入ることもある。一つの作品が完成しても「達成感に浸る前に、もう次に取り掛かっている」とか。新市町に夫婦で経営する会社のショールームがあり、そこをレザー工房にする予定だ。

中国ビジネス情報2020.11.01号「今輝いている女性」より

福島さんが作ったレザー製品

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