• ご朱印帳のすゝめ

真言宗 新熊野山 蓮華寺

真言宗 新熊野山 蓮華寺

 白鳳年間(7世紀)に、今津地方の長(おさ)である、田盛安邦(たもりやすくに)の菩提寺として建立されたと伝わる蓮華寺。寺伝によれば、延暦23(804)年に遣唐使の一員として唐へ向かう途中の弘法大師が立ち寄り、今津浦から見える山々が紀州の熊野三山に似ているところから今津の地に熊野三山を開山したという。その一つが蓮華寺で、熊野本宮の御本地仏・阿弥陀如来を本尊としている。
江戸時代には参勤交代に伴い、山陽道今津宿の脇本陣と定められた。持仏堂の仏間の隣には、大名が家臣と対峙する際に利用した「上段の間」が現存。福山市に残る数少ない上段の間として、貴重な史跡だ。
また客殿の蟇股(かえるまた)には水野家の家紋「丸に抱き沢瀉紋(おもだかもん)」が残されている。福山藩から帰依を受けた別当寺であったことが家紋拝受の理由とも考えられる。  同寺所蔵の「涅槃図」は江戸中期の作で畳三畳ほどもある極彩色が美しい大作。

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