- ご朱印帳のすゝめ
稲富稲荷神社
稲富稲荷神社
古城山中腹に鎮座する稲富稲荷神社。まず目を引かれるのが参道だ。鳥居をくぐり小さな橋を渡ると階段があり、その下を山陽本線が。上には天井のように横たわる県道60号線が走り、ちょうど鉄道と道路に挟まれた位置にある。電車が参道の眼下を走る風景は、自分がジオラマの一部になったようなノスタルジックな気分にさせてくれる。
弘治元(1555)年、笠岡城(現古城山)の城主だった村上隆重が城内の鎮守として勧請したのが同神社の始まり。社殿は、江戸時代後期に笠岡の宮大工が技術の粋を集めて建築したもので、鮮やかな朱塗りが印象的な拝殿には躍動感あふれる龍や鯉、亀や松など建物全体に装飾性豊かな意匠が凝らされている。内部もまた見事で、天井一面に描かれた花鳥、動物などの絵は思わず見とれてしまうほど。本殿・拝殿は市の重要文化財にも指定されている。
拝殿は文政2(1819)年、本殿は弘化2(1845)年の再建。江戸後期から明治にかけて境内の玉垣などが全国各地から寄進されており、当時の笠岡港の繁栄ぶりと、同神社がいかに広く信仰を集めていたかがうかがわれる。
御祭神は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)。300本以上ある玉垣の中には、金毘羅歌舞伎興業の際に立ち寄り、寄進したと思われる歌舞伎俳優や興行主の名も見られる。能登や秋田、長崎など、江戸の終わりには全国半数以上の国から多くの参拝者が訪れたという。
INFORMATION基本情報
名称 | 稲富稲荷神社 |
---|---|
住所 | 岡山県笠岡市笠岡2363 |
TEL | 0865・62・2372 |
駐車場 | 有(県道60号線から入る) |
※最新の情報とは異なる場合があります。
ご了承ください。