川南の夜鳴き地蔵

現在も大切に祀まつられる 川南の夜鳴き地蔵

No.306

 神辺駅に近い国道313号沿いには小さなお地蔵さんが祀られています。
「川南村誌」には次のような話が伝えられています。昔この辺りに夜鳴き塚と呼ばれる塚があり、径2尺(約60cm)余りの松が植えられていました。この松の皮に火をつけて赤ん坊に見せると夜泣きが止むといわれていたそうで、明治維新の頃まではこの松の皮を剝いで家に持って帰る人が多く、夜鳴き松と呼ばれていましたが枯れてしまいました。
夜鳴き塚について古老の話によれば次のように語られています。薩摩の大名の奥方が西国街道を通行中に突然産気づき、この辺りで出産しました。しかし産まれたのが双子であったため、お家騒動の元となることを恐れて泣く泣く一人を生き埋めにしました。その埋められた子の泣き声が夜な夜な聞こえてくることから夜鳴き塚と呼ばれていたそうです。
昭和の初め頃にはこの辺りには径3尺ばかりの松が生えており、2代目の松ではないかといわれています。その松のそばに赤ん坊を供養するために土地の人が建てたお地蔵さんがあり、夜鳴き地蔵と呼ばれていました。
元は100mほど南にあった浄玄寺の一角にありましたが、道路改修によって現在の場所に夜鳴き地蔵が祀られたそうです。
夜鳴き地蔵は土地の人々によって大切に祀られており、現在も献花が絶えません。