• 草むらのヒーローたち

草むらのヒーローたち No.056

草むらのヒーローたち

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第56回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:ホンダ ■車種:N360(Ⅰ型後期) ■年代:1967年〜1970年 ■場所:福山市北部


福山市北部、七曲りトンネル近くの金山入口にあたる此処は、かつての鉱山繁栄を物語る廃屋が残る神秘的な隠れ里のようなところ。
もう誰も通らないであろう往還のほとりに彼女はいました。
草むらの中に沈み込むように、自然の中に溶け込むように…。
撮影日はあいにくの雨でしたが、雨の雫で艶やかな姿に変わり、さらにいい感じになっているアイボリーホワイトの彼女。
これぞ絵に描いたような“ザ・草ヒロ”です。
愛らしいマスクや太いドアモールからしてⅠ型後期モデルのようです。
オートバイベースの空冷エンジンを積み、群を抜いたパワーだったこと。
発売数ヶ月で大ヒットし、てんとう虫の記録を抜いたこと。
当時まだ謳ってはいなかったけど、ホンダDNAのMM思想を体現したクルマだったこと。
あれやこれや、フラッシュバックします。
今まで見たことのないような目も当てられないほどの激しい朽ちっぷり。
至る所が苔むして、満身創痍の彼女。
両サイドのウインドウは残っているものの、ルーフ周りは崩れ落ち、まるでオープンカーのよう…。
車がこんな姿になるなんて。もはや開いた口が塞がりません…。
彼女はいったいいつまで原型を留めているか否か。
過酷な時を幾度も乗り越えてきたN360の真髄が、ここにはありました。
時代は変わり、キミのコンセプトを受け継いだN-ONEくんが元気に活躍しているよ。
今も昔もちいさなカラダにおおきな夢を乗せて…。

ちょっとうんちく


世の中を変えた、ちいさなクルマ。
今から50年前、Hondaからはじめての軽乗用車が生まれました。
名前はN360。Nシリーズの原点です。
N360はその愛らしい見た目と当時の軽の常識を覆す広さとパワーで
一躍ベストセラーカーに。その人気は瞬く間に若者にも広がり、
クルマにあわせて服をコーディネートしてドライブを楽しむ、
そんな新しいライフスタイルの先駆けとなりました。

#1 Design
人気のヒミツは、
親しみやすくかわいいデザイン。
N360はちいさくて丸いその見た目から、
「Nっころ」の愛称で親しまれ、
多くの人に愛されました。当時にはめずらしい
豊富なカラーバリエーションは、それまでクルマに
関心の薄かった女性たちまでも魅了。
自分らしさを表現できるファッションの一部として
若者たちの間でも人気者になりました。

#2 Useful
乗る人みんなに、やさしいクルマ。
昔は、軽といえば室内が狭いのがあたりまえ。
N360はそんな常識をくつがえし、
「大人4人がラクに座れる空間を先につくってしまおう」と、
客室から設計をスタート。
乗るところは最大に、エンジンはコンパクトに。
という人を中心にした考え方は当時としては画期的。
クルマがこれまでよりグッと身近になりました。

#3 Drive
ドライブを気軽に。
走る楽しさをみんなへ。
なんといってもN360がスゴかったのは、
小さな見た目からは想像もつかないパワフルな走り。
軽とは思えないハイパワーエンジンで多くの人を
驚かせました。クルマで走る楽しさを知った若者たちは、
おしゃれして気軽にドライブを楽しむように。
N360はそんな当時のトレンドの先端を走っていた
クルマなんです。

#4 Identity
今も、昔もワタシらしさを表現できるパートナー。
愛らしいルックスで、走りも楽しく。広さ、使い勝手、運転しやすさまで、
ちいさなカラダに乗せた、いっぱいの魅力。
N360のいいところは、いまN-ONEに受け継がれています。
自分らしさを表現するパートナーとして
おしゃれにクルマを乗りこなす。そんな人にぴったりな1台。
N360の想いを乗せて、N-ONEはこれからも走り続けます。

※本田技研工業 N360生誕50周年記念サイト より抜粋


・ボディカラーはライトスカーレット、アイボリーホワイト、サンドブルー、アドリアブルー。
・エンジンは4サイクル空冷2気筒OHCアルミ合金製エンジン(オートバイCB450ベース)。最大出力31馬力、リッター当たり88馬力、最高速度115キロ/h、抜群の加速ゼロヨン22秒、登坂力20度、燃費28キロ/L。
・カタログコピーは世界を目指す日本の国民車。
・N360Ⅰ型は1967年3月〜1968年12月まで。Ⅱ型(通称NⅡ)は1969年1月〜1969年12月まで。Ⅲ型(通称NⅢ)は1970年1月〜1970年9月。

スペック
駆動方式 FF
重量(kg) 475
全長(mm) 2995
全幅(mm)1295
全高(mm) 1345
最低地上高(mm) 0.185
ホイールベース(mm) 2000
エンジン種類 強制空冷4サイクル2気筒OHC
排気量(cm3) 354
最高出力kW(PS)/r.p.m. -/31/8500
最大トルク (kgm/rpm) 3.0/5500
最高速度(km/h) 115
プラグ形式 B-7E
圧縮比 8.5
最小回転半径(m) 4.4
燃料タンク容量(l) 26
オイルパン容量(l) 3

となりのフェローMAX SSくんはNo.27をご覧ください。

 

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
※内容については正確な情報とは限りませんのでご了承ください。
※撮影場所については、部品取りやいたずら防止のため一切シークレットです。
※掲載後の情報提供や現存確認は一切しておりません。
※画像の無断転載・コピペはおやめください。

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