• 草むらのヒーローたち

草むらのヒーローたち No.094

草むらのヒーローたち

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学6年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第94回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:マツダ(東洋工業) ■車種:ファミリア1000バン・ビジネスDX(2代目BPBV コラム4F) ■年代:1968年~1978年 ■場所:福山市北部


果樹園が点在する福山市北部の山あい、九十九折りの小径を上り詰めた先。
枯れ葉の絨毯の上で佇む正体不明のバンを発見。
なかなか年季の入った風貌で、完全に忘れ去られた感がある彼。
ボディに食い込む大木。植物に支配された自転車。いったいどうやったらこんなことになるのか?
植物の成長スピードの凄さか?はたまたフシギな時空の歪みなのか?
この山中で半世紀近く眠り続けていうのは間違いなさそうです。
ボンネットは剥がれ、その心臓部には枯れ葉や枝が入り放題。
ルーフ上には廃パイプが無造作に置かれ、周囲はガラクタやら何やらで包囲されてしまい、見るも無惨な姿でありながらも、そのモンブランホワイトの彼は大物のオーラを放っています。
リヤスタイルはやわらかなラインでまとめられ、古臭さがまったくないオーバルシェイプ。
かなり洗練されたもので、気品のある美しさを讃え、日本的なものと同時に少し外車風な香りも感じられます。
ともに過ごしてきた五右衛門風呂にも彼にも、これまでの時の流れがじわじわ錆びとなって表れ、美しい表情を作り上げているように見えます。
錆びの後ろに潜む歴史を思い出させてくれ、懐かしさと同時に蘇る、様々な記憶…。
こうして年々歳々、段々と、しかし確実に朽ちていく…。
頑丈なはずの鉄のあっけなさに、無常感と特別な美学を感じてしまいます。

ちょっとうんちく


概要

マツダ初の小型乗用車として登場し、同社の主力車種の座を長年担ってきた。特に5代目は社会現象を巻き起こすほどの大ヒット作となったことで知られている。4代目以降はハッチバックを基幹車種としており、このコンセプトは後継のアクセラ、MAZDA3にも引き継がれている。
乗用車の生産終了以降も商用車のファミリアバンに名を残しており、2022年(令和3年)3月現在新車で販売されているマツダの車種としてはキャロルに次いで古いブランド(商標)である。
2代目 SPB/STA/STB/SPC/M10A/BPBV/BTAV/BTBV/BPCV/BPB55/BTA65型(1967年 – 1978年)
•1967年11月 – 初のモデルチェンジが行われた。デザインは、時流に乗って丸みを基調に一体感を追求したものとなった。また、三角窓は廃止された。ファミリアとしては最後のトラックモデルであるトラックも同時にモデルチェンジされ、エンジンは1.0Lに一本化された。マーケティング面では、「オリジナル」という最少装備の低価格モデルを打ち出し、客が必要な好みの装備を加えることができるフルチョイスシステムを採り、多くの機能部品やアクセサリーを揃えた。マスキー法をクリアし、「マツダ1000」の名で北米市場参入を果たしたのもこの車である。
•1968年2月 – バンのフルモデルチェンジ、4ドアセダンに1200を追加。
•1972年2月 – マイナーチェンジ。セダン・クーペ・バンのレシプロ車のフロントグリルは、先に発売されたクーペGFと同じ物へ変更。フロントグリルにPrestoエンブレムを追加。1300は87馬力にパワーアップ。
•1973年9月 – セダンとクーペがフルモデルチェンジした後も、バンとトラックはフロントグリルの変更を行い、1978年1月まで従来型を継続販売。最後まで角目2灯ライトであった。1976年2月以降は50年排ガス規制適合、製造コスト削減のためホイールキャップの標準装着が廃止された。
wikipediaより抜粋

 

パンフレットコピー


・現代商店にふさわしい個性ゆたかなコマーシャルバン
・現代のビジネスワゴンにNEWファミリア1000バン
・ひときわ目立つオーバルシェイプのビジネスワゴン
・ボディ埋め込み式バンパーは歩行者の安全を守るだけでなく、リアスタイルをよりエレガントなものにしました
・精悍で印象的なフロントグリル
・スピード感あるサイドビュー
・ご覧ください。やわらかな楕円形に包まれた個性的なプロポーション。これぞコマーシャルバンに頼もしいイメージを創造したニューデザイン=オーバルシェイプです。
・長距離・高速走行に疲れない人間工学設計の運転席
・乗用車センスあふれるデラックスなコマーシャルカー
・豪華な5人乗りの室内は乗用車(ファミリア1000)そのまま

 

★1000cc最高の総合性能をうむアルミ合金製〈白いエンジン〉
・シリーズ100万台を突破してその耐久性は実証済み
・1000cc58ps
・1100ccをしのぐ発進加速・登坂力
・熱効率がよく耐久性のあるマツダ伝統のアルミ合金製
・高速耐久力にすぐれた5ベアリングクランクシャフト
・高速回転時にバルブの作動が確実、低速性能を犠牲にすることなく、高速性能を高めるハイカムシャフトなど、高度のメカニズムを採用。
★経済性も抜群です。無駄な経費と時間をはぶきます。
・足まわりにはメインテナンスフリーを採用していますので、車検までめんどうなグリスアップは不要。
・多忙な現代商店の機動力としてふさわしく、無駄な手間と経費をなくしました。
・燃費は1Lで22キロを走る経済燃費。しかもタンク容量が一段と大きくなり、走行距離が多くなればなるほどその良さがはっきりとわかります。無駄な時間と経費を極力はぶいて効率よく稼ぐこと。これがお店繁栄への近道です。
★さらに使いやすくワイドになった理想の荷室
・リアシートを折りたたむと400キロ積みのワイドな荷室が生まれます。ウインドーはリヤもサイドもカーブドガラスを採用して、より広い荷物スペースを確保しています。荷台は完全フラット式。荷物をいためず、かさばるものもムダなく大量に積めて出し入れもいたってスムーズです。リアゲートはワンタッチで大きく上方に開く一枚型。雨の日にはひさしがわりになり、大切な商品をぬらしません。またドアの開閉が軽いタッチでできるバランサーをとりつけるなど「使いやすさ」を徹底的に追求した理想的な荷室設計。お仕事の効率を大巾にアップします。なお、荷物室のサイドウインドーは便利なスライド式。荷物の出し入れもご想像以上に重宝です。
★ファミリア1000バンの運転席は今までの長所を取り入れ、さらに最新の人間工学で設計したドライバー本位の運転席です。たとえば
・広く明るいパノラマウインドー
・しかもこのクラス唯一の安全合わせガラス採用
・軽く切れの良いハンドル(R・B方式)
・確実にシフトする前進4段フルシンクロのハンドルチェンジ
・タッチの軽い油圧式ダイアフラムスプリングクラッチなど、運転の容易さを約束します

 

 

 

主要諸元
車名 ファミリア1000バン・ビジネスDX
形式 BPBV 原動機形式 BP
全長(mm) 3700
全幅(mm) 1480
全高(mm) 1405
ホイールベース(mm) 2200
トレッド(前)1200 トレッド(後)1190
荷室長(mm) 1326
荷室幅(mm) 1205
荷室高(mm) 860
車両重量(kg) 720
最大積載量(kg) 400
乗車定員 2(5)名
最小回転半径(m) 4.0
エンジン形式 水冷直列4シリンダーOHV ハイカムシャフト方式アルミ合金製〈白いエンジン〉
総排気量(cc) 987
圧縮比 8.6
最高出力(PS/rpm) 58/6000
最高速度(km/h) 130
燃費(km/l) 22
最大トルク(kgm/rpm) 7.9/3500
クラッチ形式 乾燥単板式(ダイヤフラム式)
主変速機形式 前進4段 後進1段
サスペンション (前/後) 独立懸架コイルバネ/半楕円式板バネ
燃料タンク容量(l) 35
タイヤ(前/後) 5.00-12-4PRULT/5.00-12-6PRULT
ボディ形式 セミモノコックボディ

 

 

 

 

 

 

 

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
※内容については正確な情報とは限りませんのでご了承ください。
※撮影場所については、部品取りやいたずら防止のため一切シークレットです。
※掲載後の情報提供や現存確認は一切しておりません。
※画像の無断転載はおやめください。
※草むらのヒーローとは、旧車専門誌「ノスタルジックヒーロー」の人気読者投稿コーナーに由来する名前で、通称「草ヒロ」と呼ばれています。クルマ好きの間では草むらや空き地、山の中で放置され、ひっそりと朽ちゆく、もう動かないクルマたち(草ヒロ)を眺め、往年の活躍に思いを馳せ、情緒を感じる文化のようなものになっています。
※このサイトは個人的に作っている趣味コンテンツで、出版社 芸文社様とは一切関係ありません。

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