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草むらのヒーローたち No.055

草むらのヒーローたち

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第55回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:ニッサン ■車種:キャラバン2代目前期型 コーチSGL(E23型9人乗り) ■年代:1980年〜1986年 ■場所:井原市北部


井原市北部。日本の原風景ともいえる美しい田園地帯を縫う農面道路を、あてもなく探索していた時候の良い日曜日。
農地転用により、ソーラーパネル群に姿を変えた圧迫感ありありの元果樹園の倉庫の片隅。
よーく見るとドム顔のブラウンメタリックの彼がいるではありませんか。
今では倉庫転用され、ミニキャブ55バンくんと一緒に第二の車生を送っているよう。
本格乗用1BOXカーの先駆けモデルとしてライバル“ハイエース”を抜き、渇望のトヨタ車超えを実現した偉大なる業績は、今でもずっと忘れてないよ。
そんなトップに君臨した君が今ではなんということでしょう。
リアゲートもスライドドアも開けっぱなし。
自慢だったウォール式リアクーラーや6人掛け回転対座シートを装備した、超豪華な後部空間には扇風機やストーブ、蛍光灯などが無造作に放り込まれ、放置プレイ状態に…。
あんまりだよね、キャラバンくん。
最高級グレードSGLの証である角型2灯ハロゲンの目も涙目になりうつむき加減に見えて、なんだか泣きそうになりました。
もう少し保存の方法もあったろうに。
廃車、廃校、休耕田、限界集落、過疎化…。
いろはにほへと ちりぬるを…。
この世は何ものも今のままということはあり得ない。
そう、諸行無常は世のならい。
さあ、桜のシーズンもすぐそこ。
次のヒーローに会いに行くぞ。

ちょっとうんちく


2代目(E23型 1980年-1986年)
キープコンセプトのデザインを採った。フロントウインドシールド、フロントドアおよびドアガラスは後にデビューする「アトラス」と共通で、ドア裾のホイールアーチの大きさのみが異なる。ホーミーとの違いは横基調のラジエーターグリルのみ。
本車種より車両型式の命名規則が変更され、基本型式をアルファベット1文字+数字2桁で表し(フルモデルチェンジごとに末尾の数字が1つ増える)、仕様(エンジン・駆動方式・ホイールベースなど)の違いがある場合は先頭にアルファベットを追加するようになった。
1980年(昭和55年)8月
E23型にモデルチェンジ。搭載エンジンは乗用モデルのコーチには直列4気筒SOHC・Z20型ガソリンエンジンと直列4気筒OHV・SD22型ディーゼルエンジンの2機種、バンには直列4気筒OHV・J16型およびH20型ガソリンエンジンとSD22型ディーゼルエンジンが設定された。SD22型ディーゼルエンジンは燃料噴射ポンプをE20系時代の列型から軽量、安価な分配型に変更し、特性も旧型より多少高速化している。バングレードにおいては、前列中央席の座面を跳ね上げると運転席から直接ラゲッジスペースへと移動できるというウォークスルー機構が採用された。このE23型になってディーゼル車はオーバードライブを持った5速MTに改められた。グリップと対転がり抵抗に優れるラジアルタイヤがオプション設定された。バンの最上級グレードであるGLには他者に先駆けてパワーステアリングがオプション設定され、加えてハイエースより遅れたものの、フロントベンチレーテッドディスクブレーキも設定されるようになった。コーチにはニッサンマチック(AT)、電動サンルーフ、パワーステアリング、回転対座シート、派手なデカールなどの設定があり、装備の充実を図ると共にRV化が進んでいった。この代からエアコンも従来の吊り下げ式クーラーからヒーター組み込み型のマルチエアコンになる。バングレードでは先代モデル末期に標準装備化されたELR機能付き3点式シートベルトがGL仕様のみの設定となる等の変更もなされた。
1981年(昭和56年)7月
コーチSGL特別仕様車「シルクロード」発売。エンジンはZ20型。ミッションはOD付5速MT、3速フロアAT。東京地区標準現金価格は8人乗りSGLシルクロードで1,752,000円、7人乗りSGLシルクロード(サンルーフ・リムジン仕様車)で2,011,000円。
1981年(昭和56年)10月
第24回東京モーターショーに「キャラバン フレグラント」を参考出品。「ビジネスエリートのための動く専用室」とのコピーを与えられ、キックアップしたルーフにより室内高を拡大し、セカンドシート以後をソファーへ変更する。後の「ロイヤル」や「エルグランドロイヤルライン」に通ずるコンセプトである。
1982年(昭和57年)5月
一部変更で運転席ドアの三角窓が廃止、メーターパネルのデザイン変更、バンのディーゼルエンジンはこの時、SD23型ディーゼルエンジンへ更新された。新たに設定されたSD23エンジンは、それまでのSD22型とはほとんどが別物(正確にはSD20型のボアアップ版であり、クランクシャフトが5ベアリング化される等大幅な設計変更がされた)でハイエースのL型ディーゼルと比較すると相変わらず低回転域のトルクを重視したものであったが、時代にあった性能に進化していた。ニッサンマチック(AT)も設定されたがオーバードライブを持たない旧式な3速式であった。バン系は一部のグレードを除いてラジアルタイヤが標準装備化された。コーチはAT/MT共にフロアシフト化。セカンドシートをキャプテンシートとし、7人乗りとした「シルクロードリムジン」を追加。コーチのディーゼル車はターボが付き、LD20Tに変更。その他モデルもディーゼル車の昭和57年排出ガス規制適合。バンのガソリン車は56年排出ガス規制適合と同時に、H20からZ18S/Z20Sに変更。Z型を名乗るが、商用車用ということで排ガス規制が緩く、シングルプラグ式のヘッドと、キャブレターの組み合わせである。
1983年(昭和58年)4月
マイナーチェンジでフロントグリルの変更。コーチSGL系は角形4灯ヘッドランプおよび大型バンパーを採用し、精悍な面持ちとなった。SGLシルクロードとGLの間に角形4灯ライトの「FL」を設定。「ロング10人乗りDX」を追加。
1985年(昭和60年)1月
バンに3/6/9人乗り追加、及びバン、マイクロバスの時計、メーター、ディーゼルエンジンの予熱回路を変更。合わせてパワーステアリング、ラジアルタイヤ、運転席・助手席ELR機能付き3点式シートベルト、フロントベンチレーテッドのディスクブレーキ拡大採用が行われ、商品性の向上に努めた。また、バンのガソリン車はオーバードライブを持つ5速MTに改められた。
1985年(昭和60年)5月
8人乗りに「SGLシルクロードリミテッド」を追加設定。

※wikipediaより抜粋


・今回撮影の車は1980年式コーチSGL前期型。
・特徴は◯はめ殺しの三角窓○ウォールタイプのリアクーラー◯SGLのみの角型2灯ハロゲンヘッドライト○アンダーミラー付き大型カスタムミラー◯死角の左側方の安全確認ができるセーフティウィンドー◯搭載エンジンはSD22型ディーゼルOHV・直列4気筒エンジンで、最高出力65kW(PS)/4000r.p.m. 、最大トルク14.5kgm/1800rpm、総排気量2164cc、 圧縮比20.8、オーバードライブ付き5速MTを備えていた

スペック(1983年式コーチSGLシルクロード標準ルーフ8人乗り)
重量(kg) 1490
全長(mm) 4420
全幅(mm)1690
全高(mm) 1925
ホイールベース(mm) 2350
エンジン型式 LD20-T(ターボ付きディーゼル)
エンジン種類 OHV直列4気筒
排気量(cm3) 1952
最高出力kW(PS)/r.p.m. -/81/4400
最大トルク (kgm/rpm) 16.5/2400
※エンジン最高出力はネット値です。表内では「 / / 」で表示しています。

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
※内容については正確な情報とは限りませんのでご了承ください。
※撮影場所については、部品取りやいたずら防止のため一切シークレットです。
※掲載後の情報提供や現存確認は一切しておりません。
※画像の無断転載・コピペはおやめください。

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