• 草むらのヒーローたち

草むらのヒーローたち No.069

草むらのヒーローたち

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学6年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第69回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:トヨタ ■車種:カローラ 3代目 (1600ハイデラックス4ドアセダン TE31) ■年代:1974年〜1979年 ■場所:井原市北部


西日本有数のブドウの産地「グレープ愛ランド」と呼ばれる井原市北部の高原集落。
瀬戸内海の大パノラマと大波の如く一面にうねり広がるビニールハウス群が車窓にずっと続く、まるで天空の道。
なだらかな斜面に広がるきらきら輝くブドウ畑の畔にちょこんと座る、ジョリーホワイトのかっこいい彼を発見。
ブドウ畑で静かに物置としての仕事を全うしているようだけど、広い窓、低いベルトライン、格調漂うスタイルは今も健在でオーラを放っています。
30(さんまる)くんのキャッチフレーズ「ぴったりサイズで大きなゆとり」の通りの広い室内空間は、物置の定番であるバン・ワゴンたちに引けを取ることなく、その大収納ぶりを如何なく発揮しています。
惜しむらくは、自慢のメッキバンパーや富士山のような個性的なホイールカバーが見られなかったことでしょうか。
この間会った弟分のスプリンターくんもまだまだ元気にしょーたで、30くん。
私:石油ショックに廃ガス規制。2つの大波を乗り越えながらもあのVWビートルくんを抜いて、車名別生産台数ランキングで世界一になったすげーやつなんで!
息子:普通にシンプルな車なのにすげーヤツなんじゃな!
私:ほーなんよ。オーソドックスで冒険せん保守的な大衆車じゃったんよ。
改めて30(さんまる)くんをじっくり眺めていた息子の姿と大海原のような素晴らしいブドウ畑の情景が印象に残った草ヒロ探索の一日でした。
私:次は初代カローラに会わせてやるけぇな。世界のトヨタの原動力になった歴史的一台なんで!楽しみにしとけーよ。

ちょっとうんちく


「カローラ」の車名の由来は、英語で「花の冠(花の中のもっとも美しい部分、花びらの集合体)」という意味。「人目をひく、美しいスタイルのハイ・コンパクトカー」をイメージして名づけられた。

1974年4月に発売した3代目の「カローラ」で、通称名「30(さんまる)」。これは3代目登場以降も、しばらく2代目を廉価モデルとして並行生産したためである。
車両サイズは先代に比べてホイールベースを35mm、前後トレッドを40mm拡大したが、このボデーの大型化は、排出ガス規制や衝突安全性対応に必要なスペース確保のためでもあった。基本ボデーは、当初、2/4ドアセダン、2ドアハードトップ、2/4ドアバンの陣容だったが、1976年1月には3ドアリフトバックと2ドアファストバッククーペを加え、最終的には5種となった。先代の1200ccモデルと1400/1600ccモデルの外観は基本的に共通だったが、30系ではフロントの意匠を明確に分けた。
機構面では先代をほぼ踏襲し、基本エンジンは1200cc、1400cc、1600ccと3種類。ギヤボックスではATが2速型に代えて3速型を採用。この世代は、年々強化される排出ガス規制の対策を進めた時代で、世代末期までにほぼ全車の「53年(1978年)規制適合」を果たした。排出ガス規制対応のほか、30系の世代時にはアメリカでの衝突安全規制の影響を受け、衝撃吸収バンパー、ボデーサイド保護モールディング、緊急時にロックするELR付シートベルトなども採用した(一部車種を除く)。
「カローラ」はこの3代目で車名別生産台数の世界一となった。

3代目カローラ:衝突安全性能や排ガス規制対応に向けた大型ボディ
初代からのイメージを大切にしつつも、デザイン的にさらにスタイリッシュになった3代目。衝突安全性確保のためサイズがひとまわり以上大きくなり、上級のコロナと並ぶほどとなった。エンジン体系やグレードラインナップは2代目を踏襲し、1.2リッターには先代の3K型を改良したエンジン搭載。またイージードライブへの要求も高まっており、ATが2速から3速へと変更になった。ボディは2/4ドアセダン、2ドアハードトップに加えて、2ドアファストバックと3ドアリフトバックも途中で追加され、豊富なバリエーションは大きな魅力だった。そして、この時代を襲ったのが、オイルショックと排ガス規制だ。オイルショックは生来の省燃費性能で対応。排気ガス規制に関してはTTC(トヨタトータルクリーンシステム)と呼ばれる独自技術や電子制御インジェクション化でクリアした。

1974年:オイルショックと社会不安
新宿の高層ビルが続々と完成したのがこの年だが、社会的には大きな不安が襲った。前年にオイルショックが発生して、石油製品が大きな値上がりをしたことから、物価も高騰。スーパーの店頭からトイレットペーパーが消えるなど、混乱が起きた。もちろんクルマにも大きな影響は及んだ。それまでのパワー競争から一転して、燃費対策へとシフト。スポーツカーも陰りを見せた。また、巨人ファンのみならず、日本中がその活躍を見守った長嶋茂雄が「巨人軍は永遠に不滅です」との言葉とともに引退したのもこの年だった。

スペック
グレード 1600・ハイデラックス
車両型式 TE31-MN
重量(kg) 880
全長(mm) 3995
全幅(mm) 1570
全高(mm) 1375
ホイールベース(mm) 2370
エンジン型式 2T
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
排気量(cm3) 1588
最高出力kW(PS)/r.p.m. -/100/6000
※ エンジン最高出力はネット値です。表内では「 / / 」で表示しています。

トヨタ公式 トヨタ自動車75年史・カローラ50周年記念ページより抜粋


 

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
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