• 草むらのヒーローたち

草むらのヒーローたち No.040

草むらのヒーローたち

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第40回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:三菱 ■車種:ミニカ3代目 F4(デラックス 3ドア A103A型) ■年代:1972年〜1976年 ■場所:井原市西部


首塚・合戦場跡や城跡などが残る井原市西部、県境付近の激戦の地。
ブドウ畑の只中を縫うようにして走る小径の傍らに、
突如として現れたこじんまりとした彼。
うまく身を潜めたつもりでしょうが、頭隠して尻隠さずのポーズ。
F4のFはフォーサイクル、フレッシュ、ファミリーの頭文字。
自慢のリアガラスハッチとコガネムシをイメージしたふくよかなシェルスタイリング。
草ヒロ界では意外と生存率が高いキミのことを知らない人はいないよ。ミニカF4くん。
道路脇に佇むちっちゃな姿はもはやお地蔵さんのよう。
諸行無常の響きあり…。
いつの世でも、クルマ界でも、時代の移り変わりは激しい戦のごとく。
形あるものは崩壊する道を歩むのが世の常。
お別れは寂しいけれど、キミも朽ち果てて土に還りまた生まれ変わってくるんだろうな。
最新のデジタルツールを駆使してアナログな車の存在を伝える息子の姿、いとをかし。

 

ちょっとうんちく


72年10月に登場した3代目ミニカ。2代目からキャリーオーバーしたシャシーに載るボディは、プロポーションこそ先代と大差ないが、メーカーが“こがね虫シェル”と呼ぶ柔らかみを帯びたもので、62年誕生以来の2サイクルエンジンに代わる水冷4サイクル2気筒エンジンを搭載していた。FFやRRが多勢を占める軽乗用車市場にあって、フロントエンジン/リアドライブを踏襲し、4ドアを持たず、ミニマムトランスポーテーションとして2ドア+テールゲートのみに徹していることからも、三菱の堅実さが伺われるモデルだった。SOHC、クロスフローの半球型燃焼室持つ新設計の“バルカン・エンジン”はシングルキャブの標準型とツインキャブ、高圧縮比などでスープアップした高性能版があり、前者はファミリーシリーズ6車種およびスポーツシリーズ1車種に、後者はスポーツシリーズ2車種に積まれた。73年10月には安全対策のため一部変更され、車種にSLが加わったが、74年12月のマイナーチェンジではエンジンはデチューンされシングルキャブ版のみとなり、バリエーションもファミリーシリーズ5種に絞られた。76年4月には軽規格が550ccに拡大されたのに合わせて大型バンパーなどを装着、471ccユニットを搭載した暫定的なモデル、ミニカ5となった。

(以上、GAZOO HPより抜粋)


・この車は2回目のマイナーチェンジ後の1974年モデル。
・バランサを採用した静粛設計のバルカン”S”エンジン搭載。
・触媒を使わず、独自のサーマルリアクタ(再燃焼)方式で、50年規制を見事にクリアしたMCA(三菱クリーンエア)-ⅡBエンジンで、低公害・低燃費・高性能を実現。※昭和50年排出ガス規制をクリアした一方、最高出力が2ps低下。
・カスタムとスーパーデラックスは四ツ目ライト、デラックスとハイ・スタンダードは二ツ目ライトの装飾付きグリル。
・グレード構成はマイナーチェンジ前の9タイプから4タイプに減。スポーツシリーズは廃盤に。
・大きなリアウインドがそっくりそのまま開くリアフラップ採用(ショックアブソーバータイプの一枚ハネ上げ式で煩わしさのないワンタッチ方式)。
・ミニカでお馴染みの広いジャンボドア。ドア幅は1060mm、2段階開閉。
・コガネムシをイメージしたふくよかなスタイルが室内に広い居住スペースを実現。
・新しい時代のクルマ、ホームセダン。座席は茶の間、ドアは玄関と見立てた設計。
・4サイクルエンジンのハイパワーをフルに発揮させるFR駆動。2サイクルエンジンに比べよく効くエンジンブレーキ。

主要諸元(ミニカ3代目 F4 ファミリーシリーズデラックス 3ドア )
年式 1974年
型式 A103A型
全長 2995mm
全幅 2395mm
全高 1315mm
ホイールベース 2000mm
トレッド(前/後) 1120/1080mm
最低地上高 145mm
室内長 1470mm
室内幅 1120mm
室内高 1080mm
車両重量 510kg
乗車定員 5名
エンジン 2G21型 (4サイクル水冷直2・SOHC) 359cc(通称バルカンS)
最高出力 30ps/8000rpm
最大トルク 3.0kgm/5500rpm
ブレーキ(前/後) 2リーディング式/リーディングトレーリング式
サスペンション(前/後) ストラット/Sリンク・コイルスプリング式
タイヤ 5.20-10-4PR

夏草の枯れた晩秋のとき

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
※内容については正確な情報とは限りませんのでご了承ください。
※撮影場所については、部品取りやいたずら防止のため一切シークレットです。
※掲載後の情報提供や現存確認は一切しておりません。
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