公益財団法人能宗文化財団

自動車時計博に新施設 まちづくり博物館オープン 昭和初期の商家を移築

自動車時計博物館(福山市北吉津町3-1─22)を運営する公益財団法人能宗文化財団(能宗孝・代表理事)が同館向かいに建設していた新施設「まちづくり博物館」=写真上=がこのほど完成し、8月12日にオープンした。昭和初期の商家を移築したもので、同財団は「今後もまちづくり活動に取り組む」とする。まちづくり博物館は、自動車時計博物館の約400m東側にあった木造2階建ての元酒屋の建物。同財団が持ち主から無償で譲渡を受け、移築した。昨年10月から工事を行い、外観や内装に一部改修を施したが、瓦ぶきの屋根をはじめ建設当時の雰囲気を残している。オープニングには行政や市議会、商店街の関係者らが出席した。能宗代表理事は「まちづくりは国や県、市の問題ではない。市民自らが考えないといけない」と信条を語り、「ドネーション(寄付)、ボランタリー(奉仕)、リノベーション(古い物の活用)の『D・V・R』を心掛けた」と話した。

1階には同財団が所蔵する神村町の祭りで使用された山車や大型のからくり時計、松永町にかつてあった映画館で使われていた映写機などを展示=写真下。また、市内在住の画家・寺地陽一さんが町並みなどを描いた水彩画も飾られている。2階には酒屋で使われていた蒸留器や徳利、酒瓶などが置かれている。入館無料。年中無休で開館時間は9〜18時。能宗代表理事は米国留学から福山へ戻った1966年以来、「水と空気」や古い物を大切にすることをコンセプトにしたまちづくり活動を推進。地元の大黒町商店街のアーケード撤去や、レンガ造りを模した「鹿鳴館調」の通りづくりに取り組んできた。【問】自動車時計博 ☎084-922-2188