第54回 福山ばら祭2021 今こそチャレンジ!!今こそローズマインド!!

福山ばら祭2021
福山ばら祭2021

今こそチャレンジ!!
今こそローズマインド!!

貝原企画実行委員長に聞く

福山市最大のイベント「第五四回福山ばら祭2021」は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、期間を5月10─23日の一四日間に拡大して分散開催する。ローズパレードやローズコンサートなど人が密集しやすいイベントは行わず、バラの展示のほか動画の投稿を募るなどして市民参加を図る。
昨年もコロナ禍によってインターネット上での中継や動画配信が中心の開催となった。福山祭委員会企画実行委員会の貝原大和委員長に、今年のばら祭のポイントなどを聞いた。

貝原大和企画実行委員長

感染対策で分散開催に

─今年のばら祭もコロナ下で行われます。二週間にわたる分散開催になりました。貝原委員長(以下、貝原)どんなことがあっても感染者を出してはならないという思いから、二週間の分散開催としました。
今年のばら祭の主なポイントは三つあります。一つは感染対策。密にならないよう、人の流れがコントロールできないイベントは取りやめました。
二つ目に、バラそのものを楽しむという原点に返った企画を中心にしました。ばら祭の前身は「ばら展」といって、バラを展示するイベントでした。今はイベントの規模が大きくなったこともあり、バラとは直接関係ない催しもあります。予算も限られている中、バラに関する企画に焦点を絞りました。
バラを催しの中心に据えることで、「ばらのまちづくり」をリードしている方たちに前面に出ていただこうという狙いもあります。
三つ目は、現地開催とオンライン開催のハイブリッド型としたことです。「ドリームレター」や「ばら─1グランプリ」などの企画で動画の投稿を募集し、動画サイト上のチャンネルで配信します。

─昨年、今年と二年続けてコロナ禍に見舞われました。貝原 これまでのばら祭は規模を大きくすることに主眼を置いてきました。お金の使い方も含めて、いったんゼロベースで考えるきっかけになったと受け止めています。

─ばら祭を中止するという考えはなかったのですか。貝原 ずっと続いてきた祭ですから、感染防止の方策があるなら続けたいという思いがありました。昨年は全国ニュースにもなるなど非常に注目されました。多くの方に福山の名を知ってもらえたのではないかと思います。
中継と動画配信をメインにしたことで、足腰が悪くて例年は会場へ行けない方から「ばら祭に参加したような気になった」との声もいただきました。喜んでくださる方がいたのはうれしかったですね。
昨年はばら祭関連で一人の感染者も出しませんでした。去年があったから今年がある。挑戦する機運が醸成されたと思います。

─どのような感染対策を取るのですか。貝原 メーン会場となるばら公園では入場者の人数制限を行います。入り口と出口は各一カ所にして、それ以外は封鎖します。人と人の距離を二㍍空けると最大五〇〇人が入場できる計画で、一五分間隔で調整します。
飲食は、ばら公園内に二台のコンテナハウスが会期中常駐して、軽食などを提供します。コンテナハウスなので換気も問題ありません。

昨年の「ばら祭」中継の様子

ローズマインドの共有を

─委員長として今年のばら祭に期待していることは何ですか。貝原 コロナ禍で世間がギスギスしているように感じます。そんな時だからこそ、福山市民が戦後間もない頃から培ってきた「ローズマインド(思いやり・優しさ・助け合いの心)」を共有したい。ローズマインドを伝えることがばら祭の最大の狙いです。
今年のテーマ「今こそチャレンジ!!今こそローズマインド!!」にも、そうした気持ちを込めています。ばら祭は市民手作りのイベントで、二五前後の部会で構成されますが、皆さんそれぞれに強い思いを持っています。
全国にはいろいろなイベントがありますが、これほど動画チャンネルを活用しているものはないと思います。これは来年以降の礎にもなると考えています。コロナが終息すれば、ばら祭もこれまでのような形に戻っていくと思いますが、昨年、今年と行った新しいスタイルも残していければ。

─企画実行委員長の任期は二年です。貝原さんはコロナに振り回された二年間だったのでは。貝原 ほぼゼロから考えていろいろなことを実践でき、自分の中では心に残る二年間でした。やりがいは、めちゃくちゃありましたね。

─市民に何を一番見てもらいたいですか。貝原 昨年、ばら公園や緑町公園などの会場を回りました。従来なら人がたくさんいたり、重機などの機器類が置いてあったりしましたが、それがなかったので、純粋にバラを楽しめました。とても美しかったです。おそらくこうした形での開催は今年が最後でしょうから、きれいに咲いたバラそのものを楽しんでほしいですね。

原点に返った「ばら祭」に

戦後空襲で市街地の多くを失った福山市民の心に、希望や和らぎを取り戻そうと、市内の公園にばらが植えられたのが福山ばら祭の起源です。
1968年に第一回が開催されて以降、平和への願いとともに今日まで受け継がれております。
第五四回を迎える福山ばら祭2021は、「今こそチャレンジ!!今こそローズマインド!!」をテーマに掲げ、5月10日㈪から23日㈰までの二週間の分散開催といたします。
福山ばら祭の原点に立ち返り、「美しく咲き誇るばらを観賞していただくこと」や「ばらのまちづくりやローズマインドを発信すること」を目的とし、「切りばらコンテスト」をはじめとしたばらにちなんだイベントを会場で行うとともに、感染リスクの高いパレードやコンサートの代わりに「心に咲く花」の演奏やダンスをオンラインで実施するなど、ハイブリッドな福山ばら祭をお楽しみいただきたいと考えております。
多くの市民や団体が企画から運営にまで関わりつくり上げる「福山ばら祭」をどうぞお楽しみください。

福山市長 枝広直幹福山市長 枝広直幹

ローズ福山の山下さん・粟村さん
今年度も大役担い、福山PR
ばら祭は「他都市にない魅力」

「今こそチャレンジ!!今こそローズマインド!!」をテーマに、5月10─23日の一四日間にわたって分散開催される「福山ばら祭2021」。ばら祭の開会式では例年、観光アシスタント「ローズ福山」の交代式が行われる。祭りのフィナーレを飾るローズパレードと合わせ、その年度のローズ福山のお披露目の場となっていた。
しかし、昨年は新型コロナウイルスの影響で開会式もローズパレードも行われず、ローズ福山のお披露目の場を設けることができなかった。昨年、第五二代のローズ福山に就任した山下令梨乃さんと粟村梨穂さんは任期を延長され、今年度も大役を担う。二人にばら祭への思いや意気込みを聞いた。

山下令梨乃さん(右)…福山市出身の26歳。
ホテル勤務でフロントを担当。福山市笠岡町在住。
粟村 梨穂さん(左)…尾道市出身の22歳。
福山大薬学部の六年生。尾道市向島町在住。

─任期延長を打診された時、迷いはありませんでしたか。山下、粟村 はい。

─山下さんはこの一年、福山のどんなことを知ることができたのですか。山下 地元企業の歴史とか、観光地についてとか、あらゆることを調べました。グルメ情報も多かったですね。他県からいらしたお客さまに、市内で作られている豆菓子をお勧めしたりもしました。

─粟村さんはいかがですか。粟村 ローズ福山の活動はできませんでしたが、市の広報誌やSNSなどを通じ、コロナ禍の中でも頑張っている方がたくさんいることを知って、改めて福山は素敵な街だと思いました。

─昨年はばら祭でローズ福山をお披露目する機会がありませんでした。今年は5月10日に簡単なオープニングセレモニーがあると聞いています。ローズ福山として活動する意気込みを聞かせてください。山下 今年はもっと地域の皆さまと交流できる機会が持てればいいなと思っています。私はホテルに勤務していますが、他県の方にも福山の魅力を伝えたいですね。
粟村 一年間、多くの方に支えていただきました。二年続けてローズ福山を務めさせていただき、感謝の気持ちをお伝えしたいです。

─お二人はばら祭と聞いて、どういうことを連想しますか。山下 福山が戦争で焼け野原になった時、市民を元気づけようとバラが植えられたのが、福山とバラの関わりの始まりと聞いています。コロナ下ではありますが、学生の方から大人までが頑張っています。バラが皆さんを一層元気にすると思います。
粟村 昨年ばら祭のことを調べて、バラは福山市民を元気づける存在だということを知りました。他の都市にない福山の魅力だと思います。今年はバラの展示が中心と聞いていますので、ぜひ会場に足を運びたいですね。

─ばら祭に対する思いを教えてください。山下 私は小学生の時に「ドリームレター」という企画に参加しました。はがきにバラを描いて、一〇年後の自分に手紙を送りました。その手紙は今でも家族で大切にしています。二年続けてローズ福山を務めさせていただくことには、感謝の気持ちしかありません。
粟村 今年のばら祭では、市民から「愛を語る動画」を募集したと聞いています。コロナの影響で世の中が暗くなりがちな中で、愛を語るのは大切なことだと思います。ローズ福山として貴重な経験をさせていただく以上、しっかりと力になりたいと思います。

ローズ福山…「ばらのまち福山」の魅力をPRする観光アシスタント。年齢・性別不問で公募され、審査を経て決定される。第一回ばら祭(1968年)の翌年、「ミスばら」として制定された。

「ばらグッズ」今年は10点を選定
5月15日・16日に花園公園で販売

市民参加のばら祭を象徴するものの一つが、今年で24回目の募集となった「ばらグッズ」。市民や事業者からバラにちなんだ製品などを募り、市民投票などの審査を経て選定する。今年は二一社から四四品の応募があり、10点が選ばれた。これまでの累計は243点。
また市内の小中学生からバラにちなんだデザインを公募し、バスにラッピングを施して走らせる「ばらバス」のデザインも決まった。企業や団体がばら祭に協賛して開催するイベントも予定されている。
ばらグッズの審査は例年、市民投票による一次審査と、祭委員会関係者による二次審査で決定する。今回はコロナ下ということもあり、一次審査で初めてインターネット投票を実施。七七二票が投じられた。これにフリーペーパー紙上での投票一四七票を合わせ、支持を集めた上位20品が二次審査に進んだ。
二次審査は3月3日に行われ、「ワクワク感がある」「福山の魅力がよく出ている」「価格が適正」といった基準に従って審査員が総合評価。上位10点を今年度のばらグッズに認定した。選ばれたのは次の10点(価格は税込み)。

今年のばらグッズ

【バラの香り塩】㈲農業生産法人オリオン(神石高原町)。無農薬で育てた食用バラを冷凍し、色と香りをそのまま生かして塩とミックスした。580円
【バラのシロップ】㈲農業生産法人オリオン。無農薬で育てた食用バラを冷凍し、花びらから一晩かけて抽出したエキスを使ってシロップにした。880円
【福山限定マスク】ローズクラフト友(福山市)。バラや福山城、市のキャラクター「ローラ」など福山らしい柄を施した。色も選べる。耳が痛くならない調整機能付き。440円
【しろ街タオル】畦崎畳商工㈱和is工房(福山市)。福山城のデザインを、バラとともに今治タオルハンカチに刺しゅうした。1,100円
【薔薇のハンカチーフ】染織工房SOGA(福山市)。福山で咲いたバラの花びらで染めたハンカチに、スオウとアイの染料を重ねて世界で一つの模様とした。1,100円
【香る除菌スプレー】㈲ノーブルクリエーション(千葉県鎌ヶ谷市)。バラの香りを配合した透明感のあるボトル入りの除菌スプレー。440円
【ばらとコウモリの恋】近畿大付属広島中・高福山校(福山市)。バラと福山の市章になっているコウモリのデザインを調和させたデザインのマスキングテープ。300円
【かわおじ龍ますて】近畿大付属広島中・高福山校。鞆の浦に縁のある坂本龍馬をモチーフに、「おじさんとバラ」という一見ミスマッチな取り合わせで仕上げたマスキングテープ。300円
【マスクチャームとストラップ】わかば工房(広島市)。マスクを華やかにする飾り。樹脂粘土に油絵の具を混ぜて形を作った。660円
【華やぐ薔薇ノートカバー(A5サイズ、しおり付き)】㈲キッカワ(府中市)。華やかなバラのデザインを施したノートカバー。真田ひもを使ったしおりも付いている。1,870円

福山祭委員会企画実行委員会ばらグッズ部会の畦崎泰子部会長は「コロナ下で初めてネット投票を試みましたが、多くの投票を頂きました。マスクや除菌スプレーなどコロナ関連のグッズもあります」とPRする。
ばらグッズはばら祭期間中の5月15・16日、花園公園(御門町)にブースを出展して販売する。
ばらバスのデザイン募集には8143点(小学生7145点、中学生998点)の応募があり、最優秀賞に市立南小三年(受賞当時)の井上果保さんの「ウキウキバス」が選ばれた。井上さんは「バラと音楽で心が明るくなってほしいです」とのコメントを寄せた。

枝広市長を表敬訪問

ばらグッズ制作者らが市長表敬訪問

4月15日、今年のばらグッズの制作者らが、福山市役所へ枝広直幹市長を表敬訪問した。
訪れたのは、マスキングテープを制作した近畿大付属広島中・高福山校の松坂竜ノ助さんと柳生陽菜さん、「福の山ばらグッズ」の応援大使を務める吉本興業所属のお笑いコンビ「藩飛礼」ら。
松坂さん・柳生さんら同校の生徒は四種類のマスキングテープを制作し、うち二種類がばらグッズに選ばれた。鞆の浦ゆかりの坂本龍馬をモチーフにした「かわおじ龍ますて」は、龍馬の顔をベースに、垂れ目で愛嬌たっぷりの「かわいいおじさん」風にデザインした。
松坂さんは「『福山を世界に』を合言葉に、福山の魅力を多くの人に届けられるような商品を企画しました。マスキングテープで福山を盛り上げたい」。柳生さんは「iPadを使ってデザインしました。手に取って、笑ってもらえるとうれしい」と話した。
ばらグッズに選ばれた一〇品以外にも、ばらグッズ部会と吉本興業がコラボしたマスクやスイーツなどの商品企画も進められているという。

ばらグッズ制作者らが市長表敬訪問

【JFE西日本フェスタinふくやま】JFEスチール㈱西日本製鉄所(福山地区)では毎年、ばら祭の前週に「JFE西日本フェスタ」を開催。多彩なイベントを展開し、八万人前後が来場しているが、昨年はコロナ禍で中止となった。今年は感染状況を踏まえて集客型のフェスタとはせず、代替企画としてテレビ番組を制作した。
番組タイトルは「元就。外伝」で、5月16日13時54分─15時に中国放送で放送される。ばら祭協賛事業。広島県出身のタレント・アンガールズの二人が出演し、フェスタを擬似体験しながら、同社やフェスタに関わっている人たちとの触れ合いを通じて催しの魅力を紹介する。ゲストは元広島カープの新井貴浩さん。
「フェスタを通じ、当社と地元の皆さまとのつながりを紹介する内容です」と同社。

【ふくやま国際大道芸2021 グランプリ大会】5月15日に「ふくやま大道芸 Youtube チャンネル」(https://www.youtube.com/user/patapon0710)で配信する。予選会は15時から、決勝は19時30分から。
予選は10組が5─8分のパフォーマンスを行い、決勝に勝ち進む五組を決める。主催は「ふくやま大道芸実行委員会」(猪原健委員長)。
2000年から毎年、ばら祭期間中に開催してきた「ふくやま大道芸」。一昨年は観客動員数が23万人を数えるなど、西日本最大級の大道芸フェスティバルに成長し、福山は「大道芸のメッカ」として関係者に知られるようになった。
コロナ禍を受け、今年は無観客での演技をオンラインで世界に生配信する。

 

【東京2020オリンピック聖火リレー】ばら祭関連行事ではないが、祭期間中の5月18日には東京オリンピックの聖火リレーが福山市内で行われる。
19時31分に緑町公園内の「ローズヒル」をスタートし、ばら公園・中央公園を経由して駅前大通りから市総合体育館(千代田町)に至る約4キロのコースを聖火ランナーが走る。
体育館には20時20分の到着を予定。ゴール後には記念セレモニー「セレブレーション」を実施する。セレモニーの観覧者は事前予約制(すでに受け付け終了)で、人数も八〇〇人に制限している。同市では沿道で観衆が密集することも避けるよう呼び掛けている。
聖火リレーに伴い、18時30分ごろから20時55分ごろまでコース周辺で交通規制を実施する。通行や横断の禁止、リレーコースに接続する道路の通行規制などを行う。
交通規制に関する問い合わせは、東京2020オリンピック聖火リレー広島県実行委員会(082-249-0507)へ。