広島県福山市津之郷町

弘法の水

江戸時代から伝わる昔語りの霊水

『福山志料(しりょう)』に「今岡永谷あたりへ越してゆく山中に毒水があり飲めば腹痛になるが、その南に霊水があり飲めばたちまち痛みが治る」とある。『西備名区』には「霊水は弘法大師が加持祈祷して出したもので、太刀洗水で腹痛をおこした時はこの水を飲むように言い伝えられ、その時より弘法水と言うようになった」ともある。弘法の水は、何百年も霊水として語り継がれてきたのである。
山の気が満ちた地に差す陽は柔らかく清逸だ。今日もまた寒風の中、人は水を求めにやってくる。信仰厚き人々が連綿と守り続けた弘法の水の伝説は、これからも枯れることなく人々の心を潤わせることだろう。

弘法の水。御水は10リットル100円。大正七年頃、大師講が作られ、山を拓き道を造ったり、お堂を建造。近郷から大勢の参拝客が訪れ一日に米一斗、お賽銭は百円単位で集められるほどの盛況であったという。大正九年に俄山弘法大師遺徳会が発足、活動は今も続いている。

弘法さん入口、秋には紅葉が美しい。

一泊2,000円の宿坊。入浴のみ(300円)も可能。