三好教育長に聞く 福山100NEN教育

三好教育長に聞く 福山100NEN教育 第35回

テーマ  すべては子どもたちのために

—年が明けて、新型コロナウイルスの感染者が今までにない速さで増加しています。学校の状況はどうですか。

教育長:小中学校でも感染者が増えています。現在(1月17日)は、感染状況に応じて学級閉鎖等の対応をしています。2022年、年が明けた途端に感染者が増え始め、withコロナ、afterコロナ、postコロナと言われながら、2年経ってもなかなか先が見えない状況です。オミクロン株は、非常に感染力が強いと言われています。各学校では引き続き、マスクと手洗い・うがい、換気など、感染対策を確実に行いながら新学期をスタートしています。

—この2年間コロナ禍で、授業や学校行事の在り方も随分変わってきたのではないですか。

教育長:一人に一台学習端末を配付したこともあり、大きく変わってきています。2学期スタートの分散登校では、家庭と学校をつないだり、学校内で教室を分けて授業を行ったりして、多くの学校でオンライン授業をしました。今までのやり方を変えていくことは大変なことですが、子どもも先生もどんどん使いながら慣れていっている状況です。

 年明けすぐに行った中学校の校長研修会では、卒業式のことが話題に出ました。今までであれば、在校生が体育館へ集まり卒業生を祝っていました。この2年間、多くの学校で在校生の参加は代表者のみにしています。今年度は端末の活用が進んでいますので、会場と教室をオンラインでつなぎ、在校生が教室から卒業生を祝うこともできます。しかし、2年生には次のリーダーとして会場でリアルに卒業生の姿を見て、感じてほしいという声もありました。卒業式の在り方一つとっても、どのようにリアルとデジタルを組み合わせるかということが議論されています。

 小学校の校長研修会では、ちょうどその日の朝日新聞に掲載された企業広告を紹介しました。内容は、次の通りです。

16年にわたり女性のメルケルさんが首相を務めたドイツでは、子どもたちから「男でも、首相になれるの?」という質問が出るそうです。ジェンダーをはじめとして、解決が難しいと思える課題は様々にあります。解決に向けて何かを変えようとしたとき、上だけでなく、前を見ても、右・左を見ても、ガラスの壁があるように感じます。ガラスの壁を打ち砕いた結果、傷ついたり、強風にさらされたりすることもあります。そのときは自分で傷を癒しながら、お互いにいたわり合い、励まし合う。我々大人が勇気を出して一歩踏み出すことができれば、あっという間に常識は塗り替えられるかもしれない。年の初めに、そのような気持ちになる記事でしたので紹介しました。

 2年前、コロナ禍を想定していたわけではありませんが「福山100NEN教育」5年目のスタートに「固定観念・成功体験のリングから踏み出す」をテーマに掲げました。図らずも、このコロナ禍で大きく踏み出すことになりましたがコロナ禍であろうと終息しようと、ずっと挑んでいくことだと思っています。

—福山100NEN教育」5年目のテーマは「固定観念・成功体験のリングから踏み出す」、6年目のテーマは、「リアル&デジタル『学びが面白い!』の深化」でした。7年目のテーマはどうされたのですか。

教育長:「2022リアル&デジタル『学びが面白い!』の深化」です。2022年に新たな言葉を掲げようということは、考えませんでした。今年度に入り、一人一台学習端末を配付してから、子どもも先生もまず慣れる、とにかく使ってみることから始めていきました。子どもの使い方を見て、どこでどう使うことが良いのか、注意すべきは何か、ルールを作る必要があるのかどうかなど、各学校で様々な議論をしてきました。その時間が子どもや先生にとって、意味ある時間だったと思います。それぞれが試行錯誤しながら、リアルとデジタルを組み合わせていく中で、リアルとデジタルの良さや難しさを改めて実感しています。

 端末を使うことには随分慣れてきました。しかし、授業の中で子どもの学びを深めていくために、どこでどう使うのかということは、まだまだこれからです。そういう意味で「福山100NEN教育」7年目のテーマは、「2022リアル&デジタル『学びが面白い!』の深化」です。

—「深化」に終わりはないですよね。今後もどのような取組がなされていくのか、この誌面で継続して伝えていただければと思います。

教育長:この間「すべては子どもたちのために」を合言葉に、取り組んできました。すべての取組は、子どもたちに向いています。今後も子どもたちの姿を見ながら、声を聴きながら、一歩踏み出す勇気をもって、取り組んでいきたいと考えています。

びんまる2022年2月号より