三好教育長に聞く 福山100NEN教育

三好教育長に聞く 福山100NEN教育 第33回

テーマ 今学校では… ~三好教育長&校長先生の対話より~

—年に数回、校長先生と対話する場(面談)があるそうですね。10月末には、一週間ほどかけて市内全校の校長先生方とお話されたと聞きました。

教育長:この度は、学力調査結果の分析・取組、端末を活用した授業づくり、教職員の働き方等、現在の状況から今年度後半に向けての取組について聞きました。全ての学校で様々な工夫をしながら頑張っている様子がよくわかりました。

—コロナ禍での教育活動は困難なことが多いと思います。小学校の校長先生方から聞かれた頑張っている子どもたちや先生方の姿を是非、紹介してください。

*** 対話(校長&教育長) ***

校長A:これまでの取組から、教師主導の授業から子どもたちが対話的に学ぶ授業に変わっていると思っています。しかし、子どもたちは端末を使い調べ対話もしていますが、学ぶ中身がどうなのかということが、これまで以上に気になっています。全国学力調査結果では先生たちはやっているつもりでも、子どもたちの受け止めが大きく違っていたり全然わかっていなかったり、数字が示す課題の内容が明確になりました。学力の伸びを把握する調査でも、伸びている子もいますが停滞している子もいます。個に応じた学びになっていないのだと思います。「子どものため」と思ってやっていることが、違っているのかもしれません。
やはり子どもを見ることが大事だと思い、子どもの姿を通して気付きを出し合い考える研修をしています。私も一人一人の子どものことをもっと知らないといけないと思いました。知ることで声のかけ方も違ってくるし、気付いたことで先生と会話ができますからね。

教育長:そうですよね。以前から、形は「子ども主体の学び」に見えるけど「活動あって学びなし」と少し厳しいかなと思いながらも言ってきました。形を変えることも大変です。それ以上に中身を変える、形に伴って中身が変わることってとても大変ですよね。中身・質を変えるために、子どもの姿を通して気付きを先生たちと会話しながら取り組まれている。素晴らしいです。これしかないと思います。とても楽しみですね。
形は号令によって作れるかもしれないですが、中身は会話しながらでしか作れないと思います。

校長B:全国学力調査で結果が出たことがうれしかったですね。日々の授業では子どもたちが考え話し合い、言葉や文章で伝えることを大切にしてきました。行事でも子どもたちが企画し実行するなど、取組の過程を大切にしました。こうした経験が学力調査結果の学力・意欲や行動面でも数値に表れていました。私も含め教職員は、子どもは任せるとどんどん自分たちでやっていくことを実感しています。改めて先生の役割を考えています。
新聞記者に指導していただきながら修学旅行の新聞づくりをしたとき、自分のアイデアや思いをそれぞれに表現しながら作成することができていました。今後、保護者の方に公開したいと考えています。

教育長:「実感している」ってすごいことだと思います。数字の結果が出ても、人から褒めてもらっても実感できないことってよくありますよね。学力調査結果を分解して、良かったことがわかり課題もわかった。だから、これからの取組も焦点化できている。数字に実感が伴っている。これ強いですよ。
新聞づくりでもたくさんの学びがあったと思います。考えわかった内容が詰まったオリジナル新聞だからこそ、伝えたいことが届くと思います。発表会が楽しみですね。

校長C:日々「先生自身が主体的かどうか」ということを話してきました。今回の「100NEN教育アンケート」で、教職員のやりがいが90%でした。今年になって上がっている理由を見ていきたいと思います。他のデータも活用して、良いデータの場合も「この数字はどうなのか」と疑う目を持ちつつ、授業での子どもの姿が伸びていくよう主任等と話をしながら取組を進めていきます。
中学校区の研究授業で、小学校1年生が端末をどんどん使っている姿を見て、中学校の先生が驚いていました。子どもたちは我々大人が思った以上に使います。この間は端末をとにかく使ってみようということで進めてきました。これからは効果的な使い方を子どもたちとともに考えていきます。

教育長:子どもたちの状況を見ながら、リアル(教科書・ノート・鉛筆)&デジタル(端末)のバランスですね。子どもにとっても先生にとっても、上手な使い手になるって難しいことですが、使っていく中でしかつかめないと思います。各学校の取組を交流・共有できる場をリアル&デジタルで、設定したいと思います。

校長D:授業のよい場面は写真に撮り、端末上で先生たちが共有できるページを作っています。その写真を見て「教えてください」という声が出て、職員室で先生たちの学び合いが始まっています。日々の授業を質の部分で変えていきたいです。

教育長:デジタル(良い授業場面の共有)&リアル(職員室での対話)ですね。声が飛び交う職員室って良いですね。先生が元気であることが一番です。元気で仕事ができる環境作りに、引き続き取り組みます。

校長E:子どもたちが家でも学習端末を使ってどんどん学んでいます。この前、5年生が端末上に作成したボールの使い方のアンケートに、2年生が答えていました。今度、新潟の学校と体育の遠隔授業を行う予定です。

教育長:近くの学校とやってもいいですね。端末の機能を使って、できることがさらに増えていきそうで楽しみですね。お互いの気付きを出し合いながら、より意味あるものにしていってください。確実に学びの質が変わっていくと思います。

校長F:先生たちの「~でなければならない」という考え方が変わっていったことで、子どもたちの意識が高くなったと思います。ある保護者から「子どもがギターを習いたいと言ってきた。チャレンジしようとすることがうれしい」という話を聞き、とてもうれしく思いました。
授業で子どもたちがカタカナの学習をしていたので「カタカナって必要なの?」と問いかけてみました。すると、なぜ必要なのかを調べた子がいたんです。このことを担任の先生に伝えたことをきっかけに授業についてしばらくの間、一緒に話をしました。

教育長:そういう会話っていいですね。「~でなければ」を外すことで、自由度が高くなります。学校の中で、たくさんの価値が認められ違うことが普通になっていく。そうならないと、間違いが言える教室にはならないですね。
校長先生ご自身が、前に出るところと出ないところを考えて動かれていることがよくわかりました。校長の役割も状況・場面、関係者等によって様々に変わるし変えなければならない。まさに臨機応変が求められる仕事ですね。

校長G:子どもが学校から帰るときに「今日も一日楽しかった」と思えるよう、授業や生活の中で先生がどう関わっていくのかを考えています。友だちとのトラブルで悩む子、アレルギー対応が必要な子、怪我をする子など日々いろんなことが起こります。子どもの命をあずかる校長の責任の重さをひしひしと感じる日々です。一日が終わるとホッとします。

教育長:重いですよね。ホッとされる気持ち、よくわかります。気持ちの休まる時間ってないですよね。校長の仕事って子どもたちの命に関わる、命を預かっている仕事だと思います。「元気な教職員、それ以上に元気な校長、だからそれ以上に元気な子どもたち」ですね。

—対話の内容が、本当に様々ですね。校長先生方のお話を聞いていると、学校での子どもと先生の様子がよくわかりました。

教育長:コロナ禍においても子どもたちのために、子どもたちとともに、校長を始め教職員は頑張っています。保護者や地域の皆様のご理解・ご協力、ありがとうございます。子どもたちの声や姿から一人一人の確かな成長を実感していただけるよう、引き続き取り組んでまいります。

 

びんまる2021年12月号より