大福タクシー㈲ 社長 佐藤 泰弘さん

コロナで打撃も楽しみながら耐え抜きたい

自らの経験から子育て支援に力
設立五〇周年を迎える大福タクシー。2001年から、病院の診察の順番取りや買い物代行も手掛けてきた。広島県が認定する子育て支援事業「イクちゃんサービス」にもいち早く登録。忙しい親世代に代わって、塾に通う子供の送迎などを行う。

父親が社長だった大福タクシーには一八年前に入社した。「大阪で電機メーカーのエンジニアとして充実した日々を過ごしていたが、長女の出産の際に妻を亡くし、働きながら子育てをするために福山の実家に帰った」

子育てには両親も協力してくれた。「仕事と育児の両立は思った以上に大変。その経験から、イクちゃんサービスへの参加を決めた」

長期にわたって子供の送迎を依頼する常連もいる。「会社から自宅に迎えに行く間の料金は発生しない。塾の送迎は運行距離が短い場合が多く、収益はわずかです」。ドライバーの利益になりそうにないコースのときは、佐藤社長が自らハンドルを握った。

二〇─五五人乗りのバス九台とタクシー二八台を抱える。「新型コロナウイルスの影響で、バスは全く稼動していない状態」。今入っている予約のキャンセルがないことを祈るばかりだ。

「大変な状況から逃げ出すのは簡単だが、コロナ禍を楽しんで乗り越えたい。耐え抜いてこそ見える世界があるはず」。助成金などを駆使して、乗務員ら社員四二人の暮らしを支えている。

中国ビジネス情報2020.9.10号「顔」より